幽霊苗字かなというのを、もうひとつ見つけました。
「酒勾川」というのが、それです。
静岡県と神奈川県を流れる酒匂川(さこうがわ)という河川があり、神奈川県には「酒匂川」という苗字があります。
「酒匂(さこう)」という苗字と「酒勾(さこう)」という苗字は両方あるのですが、「酒匂」は鹿児島県に多く、全国では2000人以上いる割とポピュラーな苗字で、「酒勾」はそれよりもずっと少ないですが、石川県と鹿児島県に集中している苗字です。
でもだからといって「酒匂川」と「酒勾川」という苗字も両方あるとは言いきれないのでは?と思うのです。
誤記の定着系の苗字の可能性もありますが、「写録宝夢巣」で見ても、全国で1件の苗字なので、実在が確かめられない限りは除いておこうと思います。
本日の本題である「與」と「輿」と「興」の話題に入ります。
もともとは「与」という漢字のつく苗字を調べていたところだったのですが、あまりにもややこしかったので、時間をかけて調べなおしました。
「與」というのは「与」の旧字体です。
「与那嶺」、「与那覇」、「与儀」、「伊与田」など、かなりの種類があります。
「よ」のほかに「くみ」と読んだり、一字で「あたえ」と読んだりします。
「輿」は「玉の輿」とか「神輿(みこし)」の「こし」ですよね。
苗字として数は少ないですが、それでも10種類くらいは「輿」のつくものがあり、全て「こし」と読んでいました。
ややこしいのは「輿」の音読みは「よ」であって、「輿那嶺」、「輿那覇」、「輿儀」という「よ」と読むんだろうなというのが、ウェブの「写録宝夢巣」で検索できるものだけでも全部で13種類ありました。
これも誤記定着系の苗字なのかと思って実在を確かめようと時間を使いました。
検索するとヒットはします。ただ、いずれも「輿」を「與」に代えてもヒットするものばかりで、本当なのかな?と思ってしまいます。
更にややこしいのが「興」です。もちろん興味の「興」です。こちらは「よ」という読みはないようです。
苗字として最も多いのは「興梠(こうろぎ)」でしたが、主には「おき」と読む苗字が多いです。「こう」とか「きょう」と読むものもありました。
こちらも「興那嶺」、「興那覇」、「興儀」がありました。
さらに「神興」とか「興水」といったものもありました。
「輿水(こしみず)」という苗字がありますので、誤記定着なのかなとも思いますが…
「興」と書いて「よ」と読みそうな苗字が全部で11種類、「こし」と読みそうなのが2種類ありました。
こちらも実在は確かめられませんでした。
最も問題なのが、「興水」という苗字で、「写録宝夢巣」では全国にバラバラと9件もヒットしました。9件もあるとさすがに実在してそうですけど…
これも発見できませんでした。
9件がバラバラというのが怪しいという気がします。だいたい稀少苗字というのは数ヶ所に集中していることが多く、1件ずつが全国にちらばっているというのはどうなんだろう?と思います。
悩みましたが、これらもスキャンミスと考え、削除しました。
苗字を数えるといいながら、削ってばかりになっていますが…
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