2013年8月25日日曜日

荘と随に関して

「荘」の旧字体は「莊」です。
wiktionaryで見ると、「荘」の簡体字として「庄」も出ています。

ただし「荘」と「庄」を合わせるのは無理です。
どちらかをどちらかに置き換えたときに、その苗字が存在しないことが多いからです。
どちらもJIS第1水準であり、特に置き換えの意味もないと思います。
読み方としても「庄」は「しょう」であり、「そう」という読み方がないわけではないですが、ごく稀ですし。

「荘」の読み方は「そう」か「しょう」で、どちらも拮抗しています。
「荘」一字の苗字の読みは「そう」の方が「しょう」よりも多いようです。
気をつけなければいけないのは、「荘」一字で「かざり」と読む苗字があることです。
これは実在も確かめられました。
難読です。
「荘」と書いて「かざり」と読む苗字も、漢字ごとに分けて集計してしまうと、それほど珍しくなくなってしまいます。
読み方を無視して苗字を集計するときの欠点です。


「随」の旧字体は「隨」です。
似たような漢字として「隋」があります。
もともとは「隨」という名の中国王朝で、「しんにょう」を水気/流れ去るものとして嫌いそれをはずした「隋」という字を用いたことによるそうです。
確かに「遣隋使」ですよね。

もちろん「随」と「隋」は別の字なので一緒に集計することはありません。
読み方はいずれも「ずい」だけです。
「随(隨)」は20種類ほどありますが、「隋」は10種類以下です。
ほとんどの「隋」は「随(隨)」からの誤記定着なのではないかと推測しています。

ただし、ウェブの写録宝夢巣」で「ずい」一字の苗字を検索すると、「隋」は稀少ながら存在していそうですが、「随」は発見できませんでした。
「隋」という漢字が中国王朝の名以外では利用されていなさそうなことを思うと、興味深い事実です。

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