2013年8月24日土曜日

糸と虫と鴬と蛍と鶏と蟹に関して

「糸」の旧字体は「絲」です。
100種類くらいありましたが、読み方は殆ど「いと」しかないですね。
「し」という読みを持つ苗字もあったのですが、どれも実在を確認できなかったので、紹介はしないでおきます。


「虫」の旧字体は「蟲」です。
苗字に用いられなさそうな漢字ですが、それでも20種類以上はありました。
読みは「むし」だけだと思います。
最も多いのが「虫明(むしあけ)」で1000人くらいでした。


「虫」が出たので、ついでに生き物シリーズを…


「鴬」は一字ならば、「うぐいす」と読みます。
「鶯」が正字で、「鴬」は俗字という扱いになっています。

まだ紹介していませんが、「栄」という漢字の旧字体が「榮」であることは有名だと思います。
同じように、「鶯」を「鴬」の旧字体と考えてもおかしくはないと思います。
実際、「鴬」はJIS第1水準で、「鶯」は第2水準であり、苗字として用いられている数も「鴬」の方が圧倒的に多いので、「鴬」に統一することは問題ないと思います。

「鴬」のつく苗字は10種類ほどあります。
一字で「うぐいす」と読む以外では、「おう」か「うぐ」のどちらかの読みでした。

「うぐ」と読むものとして、「鴬巣(うぐす)」、「鴬出(うぐで)」、「鴬原(うぐはら)」がありましたが、ちょっと難しいですね。


「蛍」のつく苗字は「蛍原」しかありません。
旧字体は「螢」です。
上の「栄」→「榮」の法則に沿っていますね。
こちらはちゃんと新旧字体表に載っています。

この苗字の芸能人がいるので、違和感なく読めてしまうかもしれませんが、かなりの稀少苗字で、しかも難読です。
実際には、「ほとはら」よりも「ほたるはら(ほたるばら)」が多いようです。


次は「鶏」。
旧字体は「鷄」です。
ニワトリという漢字ですが、ずばり「にわとり」と読む苗字はありませんでした。

「鶏田」は「とりた」と読みます。
それ以外では「けい」と読む場合が多いようです。

「水鶏口」は「くいなぐち」と読みます。
難読なようですが、「水鶏」でクイナと読むニワトリとは全く別の鳥であることを知っていれば、読めそうです。

「鶏内」は「かいち」と読みます。
(確認はできませんでしたが、「とりうち」と読む場合もあるようです)
難読ですが、「鶏」という漢字が入った苗字の中では最も多いのが「鶏内」でした。

「鶏冠井」。
これで「かいで」と読みます。
京都府に鶏冠井町という地名もありました。
しかし難読です!
知らなければ絶対に読めません。


本日の最後は「蟹」です。
wiktionaryで見ると「蟹」が正字で、「蠏」が本字となっています。
JISでは「蟹」が第1水準で、、「蠏」が第2水準となっており、実数でも「蟹」の方が圧倒的に多いので、「蟹」に統一し、「蠏」は併記する形にしました。
これも30種類くらいありました。
「蟹江」が最も多く、5000人くらいいます。
読みは「かに」だけのようです。

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