2013年10月31日木曜日

角に関して

ようやく「か」の欄の整理が一段落しそうです。
まだ10,000人以上の苗字までしか終わっておらず、全体の2%程度ですが…

「角」のつく苗字は400種類くらいあります。
たいていは二文字目以降で、その場合はそれほどバリエーションがないのですが、一文字目だと様々な読み方になります。
主に「かく」、「かど」、「すみ」、「つの」ですね。
問題なのは、これがほとんど均等に存在するということです。
どれが多いとか、どれが少ないとかいうことがないんですね。

そのため、「角」で始まる苗字を分類するとき、ほんのちょっとした違いで全く違う場所に分類されてしまい、探すのに手間どってしまいます。

例えば、「角谷」は「かくたに」と「かどや」と「すみや」が同じくらい存在するそうです。
「角野」は「かくの」と「すみの」が同じくらい存在するそうです。
それなのに「す」の欄を探しても見つからないと悩ましいですね。

これは私がふりがなによって分類したいなと思ったきっかけでもあります。

同じ「角」で始まる苗字でも「角田」は「つのだ」が最も多いようです。
このへんの違いも面白いですね。

2013年10月30日水曜日

金に関しての続き

なかなか「か」の欄が終わらないので、追加を。

「金」を「かな」と読むか「かね」と読むかというのは、細かな違いのような気もします。
後に続く漢字に併せて発音しやすく変化した部分はあると思います。

(もちろん「きん」と読むのは大きく違いますが)

ですが、母音から変わってしまう場合は別扱いするというルールにしておこうと思います。

苗字の実数に関しては、「苗字の百貨店」での調査を信じているので、それをそのまま載せています。
括弧内に併記された読み方は1割未満の稀なものだそうなので、私のホームページでは推定人数を空欄にしています。

ただ、「神谷」は「かみや」が9割で、「かみたに」は他の「かべや」や「みたに」と同じ1割未満なのか?とか、「金谷」は「かなや」や「かねや」が9割で「かなたに」や「かねたに」は1割未満なのか?といったところは疑問が残ります。

私自身が調査したわけではないので、偉そうなことは言えないのですが…
いずれにせよ、疑問点があれば再調査をしてみる必要があります。

(私の目的は苗字の実数を数えることなので、ちょっとずれてしまいますが)

2013年10月29日火曜日

金に関して

「か」の欄の整理が進みません。
もともと数が多いのですが、「神」や「上」など読み方が複数あるものが多いのです。

「金」もそのひとつです。

例えば「金田」は「かねだ」と読むことが多いですが、愛知県では「かなだ」と読むことが多いです。
他にも「きんだ」や「こんだ」と読みます。

「かねた」や「かなた」もありますが、濁点の有無だけなので、併せた形にしています。

「きんた」というのもありましたが、アダ名のようなものばかりでした。
仮に実在したとしても「きんだ」と併せてしまって良いだろうと思います。

読みに関して実在が確認できないものは、電話帳も見ているのでどうしてもゆっくりになってしまいます。

2013年10月28日月曜日

神田と神戸に関して

「神谷」を終わらせたので、次は「神田」と「神戸」も調べました。

「神田」は「かんだ」と読むことが多いです。
他の読み方としては「こうだ」、「かみだ」、「じんだ」、「じんでん」がありました。
いずれも実在が確認できました。

「こうだ」は山口県に集中する読み方だそうです。
「かみだ」や「じんだ」までならなんとか分かりますが、「じんでん」までいくと相当に意表をつかれた読みです。

「神戸」は更に厄介です。
最も多い読み方は「かんべ」です。
地名として有名な「こうべ」はかなり少ない読み方です。

他には「かみと」、「かんこ」、「かんど」、「ごうど」、「こうど」がありました。
「かんべ」と「こうべ」を含めると7種類の読み方があることになります。
どれも言われれば読めるけれど、なかなか正しく読んでもらえないだろうなと思います。

悩んだのは「ごうど」と「こうど」です。
いわゆる濁点だけの違いです。
数でいうと、「ごうど」の方が多そうです。

こういう一文字目に濁点がつくかつかないかの違いが出てくるものはどうするか、悩んでいました。
悩みましたけれど、一文字目に関しては、別扱いとします。
前の文字にひっぱられた形で読み方がかわっているのではなく、何らかの意味があって濁点がついたりつかなかったりしているのではないかと考えたからです。

「神」を「ごう」と読むのはなかなか難しいですね。

2013年10月27日日曜日

ついに100回目!

ついにこのブログも100回目になりました。
それにしてもまだまだ全く目標が達せられていません。

現時点でホームページに載せている苗字は1,876種類でした。

10万種を目標にしているわけですから、まだ2%です。

最も多い「い」の欄でさえ204種類で、全く手つかずの「ぬ」の欄などは「沼田」しか載せていません。
先は遠いですが、ゆっくりと増やしていきたいと思っています。


日本の苗字を数えるHP

https://sites.google.com/site/ribennomiaoziwoshueruh/

2013年10月26日土曜日

神谷に関して

「か」の欄をゆっくりと整理しています。
とにかく数が多いので大変です。
とりわけ大変だったのが「神谷」です。

「神谷」は「かみや」と読むことが圧倒的に多いです。

「かみたに」という読みも多そうですが、「苗字の百貨店」によると全体の1割未満だそうです。

他に「かんたに」、「かんや」、「こうたに」、「こうや」、「じんたに」、「じんや」があります。
この辺りまではまだ言われれば納得できますね。

他に「かべや」と「みたに」という読みもありました。
全部で10種類です!
ここまでの最高記録です。
全て実在も確認できました。

「神酒(みき)」という単語もあるので、「みたに」という読み方も納得できないことはないのですが、普通に考えると、「か」が抜けているだけじゃないのか?と思ってしまいそうです。

「かべや」は難しいです。これは読めません。

2013年10月25日金曜日

狩野に関して

以前から悩んできた「狩野」の読み方ですが、「かの」と「かのう」を併記することとしました。
もちろん「かりの」は別の扱いとしました。

読み方の基準に関して、あまりしっかりと決めていなかったのですが、だいぶ方向性がみえてきました。

発音したり、ローマ字で書いたりしたときにどちらともとれるものはまとめておくことにします。
濁音の有無と同じ扱いです。

子音の微妙な違いもまとめてしまっているのですが(「よしはら」と「よしわら」とか)、母音の違いは分けています。

例えば、「川添」という苗字で「かわぞえ」と「かわそえ」はまとめていますが、「かわぞい」という読み方は分けています。

このへんは微妙ですね。
「かわぞい」と「かわぞえ」も発音してみるとほとんと変わらないですし、五十音順に並べたときの違いも「よしはら」と「よしわら」に比べると小さそうですし。

2013年10月24日木曜日

河合に関して

ようやく「お」で始まる10,000人以上いる苗字が整理できました。
ここまででほぼ200種類になってます。
全部で1,000から1,500種類くらいでしょうか。

眺めてみると出会ったことがない苗字とか読み方が、かなりあることに気づきます。

次は「か」の欄だ!と思ったのですが、こちらもかなり量があります。
「上」や「神」で始まる苗字というのは読み方が多様になりやすいですね。

ここもしばらく時間がかかりそうです。

ところで「河合」という苗字があります。
全体では100,000人もいることになっているので、相当にメジャーな苗字です。

読み方としては「かわい」が一般的ですが、稀少な読みとして、「かあい」、「かわあい」、「かわえ」、「かわごう」があります。
全て実在を確認できました。

「かわごう」は良いですよね。
全く音の響きが違いますから。

「かわえ」もちょっと違います。ちょっと難読だと思いますが…

「かわあい」は冷静に考えると、最も自然な読みですね。

「かあい」はどうでしょうか?

これは悩みます。
「みやさき」と「みやざき」みたいな濁点の有無だけの苗字はまとめてしまっています。
「すがわら」と「すがはら」みたいなものもまとめてしまっています。
そういう意味では「かあい」だけは「かわい」にまとめてしまって良いのではないかと思うのです。

後々に変更するかもしれませんが、とりあえずはその方針でいこうかと思います。

2013年10月23日水曜日

遅々として進まず

実際に苗字を並べるだけなら簡単かと思っていましたが、実際にやってみるとかなり大変です。
実在を確認できないものが多く、あちらこちらを探しています。

「お」の欄だけでも「大」や「小」の漢字で始まるものは複数の読みがあるので、確認作業が手間取ります。
ゴールが決められている作業ではないので、ゆっくりと増やしていこうと思います。

2013年10月22日火曜日

新に関して

「新」に関して、「あらた」という読みを確認できました!
インターネット上での検索では難しかったので、紙の電話帳を見たら確認できました。

「あらた」より稀少な読みである「あら」と「にい」は簡単に確認できました。

これで「あ」から「え」までの10,000人以上の苗字は全て網羅したと思います。

今は「お」の欄を整理しているのですが、数が多いので大変です。
本当は1日100種類くらいは増やしていきたいのですが、とても無理です。

気長に増やしていこうと思います。

2013年10月21日月曜日

「おお」や「いい」に関して

現在は「お」の欄を整理しています。
「お」で始まる5,000人以上いる苗字で、読み方が単一のものは全て載せました。

読み方が複数あるものに関しては少しずつ確認していってます。

気づいたのは「おお」とか「いい」を「お」や「い」と読むとしているものが意外に多いということです。

具体例でいうと、「大川」という苗字があって、これを「おおかわ」ではなく、「おかわ」と読むとしているものです。
後、「飯塚」を「いいづか」ではなく、「いづか」としているものもありました。
他にもこういう例が多数あるのです。

ふりがながしっかりとふってあれば、確認できたとして載せるのですが、ローマ字表記はひとによってまちまちなので、それだけでは信頼がおけないのです。

「おおかわ」の場合であったとしたら、「ookawa」や「ohkawa」となっていれば、問題がないのですが、「okawa」となっていても、「おかわ」なんだなとは思いませんよね。

「いい」の場合も正しくは「ii」なんだろうと思いますが、「いー」と考えて「i」だけで省略しているケースがないとはいえないかと思います。
もちろん普段は「いい」としているものが、間違って表記されてしまったものがインターネット上に残った場合もあるかと思います。
それなので、このへんは慎重に対応していこうと思っています。

2013年10月20日日曜日

上田と新(あらた)に関して

とりあえず、10,000人以上いる苗字のうち、読み方が単一のものはホームページに載せました。
いちおう、最低限の形を作ってみました。

1,000種類以上は載せたので、全体の1%は超えたのでしょうか?

推定人数の欄は、「苗字の百貨店」を参考にしました。
読み方がふたつ以上ある場合、「・」で分けていれば、元の人数を半分にして有効数字2桁になるように切り上げました。
「>」で分けられていれば、7:3で分けて、切り上げました。
7:3という数字に根拠はないのですが、括弧内の読み方は全体の1割未満の稀少な読み方となっていたので、半々と1割の中間をとってみました。

これまで最も複数の読み方があったのは、「上田」です。
最も有名な読み方は「うえだ」ですが、それ以外に「あげた」、「うわだ」、「かみた」、「かんだ」、「こうだ」、「じょうだ」がありました。全て実在を確認できました。全部で7種類です。
「上田」に限らず、「上」という漢字が入ると、色々な読み方ができてしまうようです。

読み方が発見できなかったものは保留にして、表には載せていないのですが、それはほとんどが括弧内の稀少な読みなので、推定人数には影響していません。
括弧内の読み方に対する推定人数の欄は全て空白にしているからです。

ひとつだけ括弧内ではない読み方で見つからなかったものがあります。
それが「新」という苗字です。
「新」の読み方は「苗字の百貨店」によると「あたらし・しん>あらた」となっていました。

「あたらし」と「しん」は簡単に見つかったのですが、「あらた」という読みが見つからなかったのです。

基本的に一文字姓は探しにくいのですが、この場合、「新」と書いて「あらた」と読むファーストネームの方もいるということもありました。

とりあえず、「新」はまだ載せていません。
いずれ再調査をしてみます。

2013年10月19日土曜日

なかなか進みません

ようやく「ま」まで、1,0000人以上いる苗字を載せました。

1,0000人以上もいる苗字というと、ありふれたものかと思っていましたが、実際には出会ったことがない苗字もいっぱいありました。
単一の読み方しかないものというのは半分くらいで、稀少な読みをもつものも多いので、それらは少しずつ確認するしかないかと思います。

以前にも書きましたが、「狩野」の読みとして、「かの」と「かのう」があって(「かりの」もありますが)、それを別にするかどうかというのも悩みどころですね。
基本的には一緒で良いと思っていますが。
(もちろん「かりの」は別です)

あと、悩ましいものとして「山地」とか「宮地」とかですね。
それぞれ「やまじ」や「みやじ」と読むことが多いと思います。
濁点をつけない読み方もあります。
「地面」の「「地」ですから「ぢ」でなく「じ」となることは問題ないと思いますが、濁点がつかないとなると、「地」は「ち」となりますよね。
そうなると「山地」や「宮地」は「やまち」や「みやち」となります。
これも濁点の有無だけだと考えると、別の読みだとは考えたくないところですが、五十音順にするとだいぶ違ってきてしまうのです。
(「菅原」を「「すがわら」か「すがはら」とするのと同じです)
今のところは一緒に扱っています。

とりあえず、10,000人以上の苗字を整理することを優先しようかなと思っています。

2013年10月18日金曜日

舮に関してなど

「舮」という漢字が漏れていました。
追加しておきます。

「鈩」などと同様に旧字体ではないのですが、異体字として「艫」があります。
似たような漢字では「炉」だけが新旧字体表に載っており、旧字体として「爐」があります。

「舮」を用いた苗字は3種類でした。

「舮居」と「舮井」はともに「ともい」と読みます。
実在も確認できました。
「艫」を用いている方が多いです。

「長舮」も「長艫」だけが見つかります。

ウェブの「写録宝夢巣」で1件だけです。

稀少な苗字だと旧字体だけしか見つからないことはよくあります。

他と揃える意味で併記しておきます。

実在は確認できましたが、読みまでは確認できませんでした。

「苗字の百貨店」によると「ながろ」だそうです。

ホームページの方は一気に載せている苗字を増やしました。

ただし、まだようやく1,000種類くらいです。

「あ」から「な」までは10,000人以上いる苗字のうち、読み方が単一のものを中心に乗せています。「に」から後はまだまだこれからです。

悩ましいのは「菅原」や「吉原」や「小笠原」などで、「原」を「はら」と読むか「わら」と読むかで五十音順の場所がずれてきてしまいます。

私はこれを全く別の読みだとは考えていないので、併記という形にしているのですが、該当する場所を見ても載っていないといわれないかと心配です。

2013年10月17日木曜日

ホームページを作りました

苗字を数えていくのにあたり、ブログだとまとまった形にならないので、ホームページを作ってみました。
「日本の苗字を数えるHP」というタイトルにしました。
https://sites.google.com/site/ribennomiaoziwoshueruh/home


とりあえず、「あ」欄から「わ」欄まで作ってみましたが、まだ100,000人以上の超メジャーな苗字を載せただけです。

読み方が複数あるものに関しては、実在を確認したものから順に正しい読み方の位置に載せています。
「東(あずま)」と「東(ひがし)」とか、「河野(かわの)」と「河野(こうの)」とかです。

100,000人以上いる苗字の中で、「上田」と「馬場」だけは「うえだ」と「ばば」以外の読み方がたくさんあったので、まだ載せていません。

「あ」と「い」だけは10,000人以上までの苗字のうち、読み方が単一のものを載せました。
最初のうちは読み方が単一のものを多い順に載せていこうと思います。

現時点では、まだ300-400種類しか載せていません。
1日に100種類ずつ増やしても100,000万種の苗字を集めるには3年かかる計算です。

ホームページの方に載せてある苗字で、まだ別の苗字を見つけた方は教えていただければ幸いです。

2013年10月16日水曜日

異体字のまとめ

異体字に関しては、基本的に新旧字体表を参考にしています。
http://www.asahi-net.or.jp/~ax2s-kmtn/ref/old_chara.html

旧字体とされているものであれば、新字体に置き換えることが可能(戸籍上での修正も可能)となっているので、これに載っている漢字であれば全て新字体と旧字体をまとめてしまっています。

常用漢字でない場合、ここから漏れてしまっています。
下記の漢字が漏れていた主なものです。
括弧内は新旧字体表に載っていたものです。
括弧内が新字体と旧字体の関係になっているので、常用漢字でないものも置き換えれるだろうと判断したのです。

「蛎」→「蠣」、「砺」→「礪」
(「万」→「萬」、「励」→「勵」)
 
「篭」→「籠」
(「竜」→「龍」、「滝」→「瀧」)
 
「昿」→「曠」
(「広」→「廣」、「鉱」→「鑛」)
 
「桧」→「檜」
(「会」→「會」、「絵」→「繪」)
 
「賎」→「賤」
(「浅」→「銭」、「残」→「殘」、「桟」→「棧」)
 
「陦」→「隯」、「涛」→「濤」、「梼」→「檮」
(「寿」→「壽」、「鋳」→「鑄」)
 
「蝿」→「竃」
(「縄」→「繩」)
 
「薮」→「藪」
(「数」→「數」)
 
「芦」→「蘆」、「鈩」→「鑪」、「枦」→「櫨」
」→「」)
 
 
 
これとは逆に、wiktionaryで見ると異体字の関係にあるとされているけれど、別字として扱ったものもあります。
 
「富」と「冨」
「刈」と「苅」
「園」と「薗」
「峯」と「峰」
「島」と「嶋」
などです。これは新旧字体表(私は「角川新字源」を参照しています)に載っておらず、かつ両方がJIS第1水準となっているものです。
JIS第1水準であれば、わざわざ置き換えたりする可能性が低いだろうという判断です。
 
 
異体字とはなっていたのですが、用いられている苗字を検討していった結果、全く別の漢字と認識されていると判断したものも別字として扱っています。
 
「岩」と「巌」
「体」と「躰」
「荘」と「庄」
「渓」と「谿」
「舗」と「鋪」
などです。
 

2013年10月15日火曜日

ここまでのまとめ

ひととおり、新字体と旧字体の整理が終わりました。

「あ行」は16,874種類
「か行」は16,736種類
「さ行」は12,376種類
「た行」は12,101種類
「な行」は5,949種類
「は行」は9,944種類
「ま行」は8,909種類
「や~わ行」は6,106種類
となりました。

合計で88,995種類となりました。
整理を始める前の時点で96,515種類となっていましたから、7,000種類ほど少なくなったようです。
数え方が異なるので、仕方がないです。

これからは苗字の総数を数える作業を進めていきます。

もう一度、最初に決めた私なりのルールを出します。

①新字体で置き換えられるものは置き換え、まとめて数える。
 
 これは、「渡辺」さんと「渡邊」さんと「渡邉」さんは全て「渡辺」さんとして扱うということです。戸籍上では旧字体で登録されている場合でも新字体を使うか旧字体を使うかは全く本人の自由なので、総数がわかりにくくなるかと考えたからです。

②読みが明らかに異なる苗字は別として扱う。
 「苗字の百貨店」では、漢字ごとにひとつの苗字としていて、例えば「河野(かわの)」さんと「河野(こうの)」さんはひとつに扱われています。でもこれは名乗っている本人たちにしてみれば、「一緒にしてくれるなよ」と思うに違いないと思ったのです。

③あまり違わない読みは同一と考える。
 ②と矛盾しているようですが、例えば「浜崎(はまさき)」さんと「浜崎(はまざき)」さんは異なっているようで、あまり違いがない気がするんです。戸籍に載っているのは漢字のみで、フリガナはないんですね。だから「浜崎(はまざき)」さんが就職を機に「浜崎(はまさき)」さんに変えてしまおうというのはできないことではないはずなんです。なので濁点の有無だけで、別の苗字として扱うことにはしていません。

④あまりにも稀少な苗字はとりあえず考えない。
 「苗字の百貨店」では全国に2件以上登録されている苗字はほぼ網羅してあるみたいです。よってここに載っていない苗字はかなり稀なものになってしまうと思います。そしてそれを足していくとキリがなくなってしまう気がするのです。例えばスポーツ選手などが帰化して日本の苗字を持ったとしますよね。それを全て加えていくと、本当に際限がなくなってしまうのです。
ある程度、数えきってしまうまでは、そういうのは考えないようにします。

2013年10月14日月曜日

実と円と当と燈に関して

異体字をまとめる作業も本日が最終日になります。
予想以上に時間がかかり、3ヶ月も費やしてしまいました。
この後は、どんどんと苗字を数えていきたいなと思います。

最終日は「実」から。
旧字体は「實」です。

「実」を用いた苗字は180種類ほどありました。
読み方は「じつ(じっ)」と「さね(ざね)」と「み」が同じくらいの割合でありました。

「実山」は「みやま」か「じつやま」と読むことが多いですが、「たねやま」と読むこともあります。
いずれの実在も確認できました。

「実宗」は「さむね」と読みます。
実在も確認できました。

「実」一字では「みのる」と読むことが多いようです。
実在は確認できませんでした。
一字姓の確認は難しいことが多いです。
特にファースト・ネームとしても用いられるものだと相当に難しいです。
一字姓の確認作業は今後の課題です。


次は「円」です。
旧字体は「圓」です。
これも旧字体を新字体に置き換えている方が少ないだろうなと思う漢字のひとつではあります。

「円」を用いた苗字は140種類ほどありました。
読み方は「えん」が多いですが、「まる」も結構あります。

「円谷」といえば「円谷プロ」があるので「つぶらや」と読めてしまいますが、普通に考えると難読ですよね。
「円谷」は「つぶらや」か「つむらや」と読むことが多いです。
「円」を「つぶら」と読む苗字は他にもいくつかありますが、「つむら」と読むものは他にありませんでした。
「円谷」は他にも「えんや」や「えんたに」、「まるや」と読みます。
「つぶらや」が有名なので、かえって正しく読んでもらえなさそうです。

「円日」は「まどか」と読みます。
実在も確認できました。


次は「当」です。
旧字体は「當」です。


「当」を用いた苗字は140種類ほどありました。
読み方は「とう」が多いですが、他にも「あて」や「あたり」や「と」と読むことがあります。

「当木」は「とうぎ」と読むことが多いですが、「あてぎ」や「あつき」という読み方もあります。
いずれも実在を確認できました。

「当間」と「当麻」と「当摩」はいずれも「とうま」と読むことが多いですが、「たいま」という読み方もあります。
いずれも実在が確認できました。

「日当」は他の読み方もありますが、最も多い読みは「ひなた」です。
「日当瀬」も「ひなたぜ」と読みます。
(「苗字の百貨店」では「ひなたせ」で載っていましたが、調べると濁点がついている方が多いようです)

「福当」は普通に「ふくとう」と読みます。
実在も確認できました。
もうひとつ、「苗字の百貨店」には「とんだ」という読み方も載っていました。
こちらの読みは実在が確認できませんでした。


最後の最後です。
「灯」と「燈」です。
これを最後にしたのには訳があります。
どうするか悩んだのです。

「灯」が新字体で、「燈」が旧字体なのです。
両方ともJIS第1水準です。
それはよくあることです。

問題なのは、「苗字の百貨店」で見ると「灯」を用いた苗字は5種類で、「燈」を用いた苗字は16種類だったことです。
旧字体を用いている方が圧倒的に多いのです。
他にはこういうことはありませんでした。

「灯」を用いた苗字では「灯」を「燈」に置き換えても全て成立するのですが、逆は成立しないことが多いのです。

悩みましたが、これだけ例外的に「燈」に「灯」をまとめることにしました。
まとめておかないと他と矛盾するだろうと考えたので。

読み方は「とう(どう)」が多いです。

「燈下」は「とのした」と読みます。
実在も確認できました。

「長燈」は「ながと」で、「火燈」は「ひとぼし」と読むそうですが、どちらも実在は確認できませんでした。

2013年10月13日日曜日

万と励と蛎と砺に関して

本日は「万」から。
旧字体は「萬」です。
このふたつが同じ意味があるということは誰でも知っていると思いますが、実際に新字体と旧字体の関係だというのは想像しにくいです。
形が全く違いますし。

「萬」を用いた苗字の方が、日常的に「万」と置き換えて名乗っているというのは考えにくいです。
しかし実際に新旧字体表に出ているので、置き換えて名乗ることもできないことはないわけです。
この後に紹介する他の漢字との整合性をとるためにも、まとめておきます。

「万」を用いた苗字は200種類以上あります。
読み方は「まん」が多いですが、「ま」や「ばん」もあります。

他には「よろず」や「よろ」と読む苗字も数種類ずつありました。

「万里小路」は「まりこうじ」と読むこともありますが、「までのこうじ」と読むことの方が多いようです。
由緒ある苗字のようです。
実在も確認できました。

「万木」はいろいろな読み方がある苗字ですが、多い読みは「ゆるぎ」です。
これも実在が確認できました。
(次に多い読み方は「よろぎ」です)
「万」を「ゆる」と読むのは、これだけです。難読です。

「万沢」は「まんざわ」と読むことが多いのですが、「かずさわ」という読みも確認できました。

他に「苗字の百貨店」では、「万豆」で「はず」、「万辻」で「もつじ」と読む苗字が載っていましたが、実在は確認できませんでした。


次は「励」。
旧字体は「勵」です。

「励」を用いた苗字は1種類しかありませんでした。
「励」一字で「はげみ」と読む苗字がそれです。
実在も確認できました。

「励」一字で「れい」と読む場合もあるそうですが、こちらは確認できませんでした。


次は「蛎」です。
「蛎」はそもそも常用漢字ではないので、新旧字体表には載っていないのですが、異体字として「蠣」があります。

「蛎」を用いた苗字は10種類ほどありました。
読み方は「かき」だけです。


次は「砺」です。
こちらも常用漢字ではないです。
異体字として「礪」があります。

「砺」を用いた苗字は5種類ありました。
あまり見たことのない漢字ですが、「砺波(となみ)」という苗字などは1000人ほどいるようで、決して稀少苗字というわけではありません。


本日は「万」が入った漢字を紹介しました。
「万」が入った漢字というと「栃木」の「栃」もそうですが、「栃」の「万」を「萬」に置き換えた「櫔」という漢字はJIS第4水準で、苗字としては使われていないか、使われていたとしても相当に珍しいのではないかと思います。

2013年10月12日土曜日

真と槙と鎮と慎に関して

本日は「真」からです。
旧字体は「眞」です。

「真」を用いた苗字もかなり多く、400種類以上あります。

読み方は「ま」が多いですが、「しん」もかなり多いです。

他には「さな」や「さね(ざね)」という読み方もあります。

例えば「真田」は「さなだ」と読むことが圧倒的に多いですが、これは誰でも読めますよね。
これが稀少な苗字で「真」が使われていて「さな」や「さね」と読むとなると途端に難読となることが多いのです。

「し」という読み方もあります。
「真水」は「まみず」と読むこともありますが、最も多い読み方は「しみず」です。


次は「槙」です。
旧字体は「槇」です。

「槙」を用いた苗字は80種類ほどありましたが、読み方は「まき」だけでした。


次は「鎮」です。
旧字体は「鎭」です。

「鎮」を用いた苗字は20種類ほどありました。
読み方は「しず」と「ちん(ぢん)」が半々くらいでした。


次は「慎」です。
旧字体は「愼」です。

「慎」を用いた苗字は10種類もありません。
読み方は「しん」だけで良いと思います。

2013年10月11日金曜日

沢と釈と訳と駅に関して

本日は「沢」からです。
旧字体は「澤」です。
有名ですよね。
 
「沢」を紹介するということは、いよいよこの作業も終わりが近づいているということです。
 
「沢」を用いた苗字は非常に多く1200種類以上もありました。
そのうちの7割ほどで「澤」に置き換えたものがありました。
 
読み方としては「さわ(ざわ)」がほとんどです。
 
「沢岻」は「たくし」と読みます。稀少苗字ではありません。
「沢」を「たく」と読むことは全体から見たら少ないですが、それでも10種類くらいはありました。
 
「沢潟」は「おもだか」と読みます。
オモダカという水生植物のことだそうです。
苗字としても実在が確認できました。
「沢」を「おも」と読むのも「潟」を「だか」と読むのも普通はできません。
難読ですね。
 
「沢海」は普通に「さわみ」とか「さわうみ」といった読み方もありますが、より多いのは「そうみ」という読み方です。
新潟県に「沢海(そうみ)」という地名もあります。
もうひとつ「沢海」と書いて「おもがい」と読む苗字もあります。
「沢潟」で「おもだか」と読むことを知っていれば読めるんでしょうか?
これらは全て実在も確認できました。
 
 
次は「釈」です。
旧字体は「釋」です。
 
「釈」を用いた苗字は30種類ほどありました。
「釈迦(しゃか)」を用いた苗字だけで6種類もありました。
読み方としては「しゃく」が多いです。
 
「釈尾」は「ときお」と読むます。
「釈」を「とき」と読むのは難しいようですが、苗字としては結構ありました。
 
「釈」と書いて「せき」と読むこともあります。
「釈」一字の苗字は「しゃく」と読むことが多いですが、「せき」と読むことも「とき」と読むこともあるのです。
 
「釈氏」は「しゃくし」や「せきし」と読むこともありますが、多いのは「きくち」という読み方です。
実在も確認できました。
どれも難読です。
 
 
次に「訳」と「駅」をまとめて。
それぞれ旧字体は「譯」と「驛」です。
 
「訳」を用いた苗字が16種類で、「駅」を用いた苗字が10種類でした。
読み方はそれぞれ「わけ」と「えき」しかありませんでした。

 

2013年10月10日木曜日

国と蔵と恵に関して

本日は「国」から。
旧字体は「國」です。

「国」を用いた苗字は400種類ほどありました。

読み方は「くに」が多いですが、「こく」もあります。
茨城県に「国府田(こうだ)」という地名がありますが、「国府田」という苗字も茨城県に集中しています。
「国府」と書いて「こう」という苗字はそれだけで8種類ありました。
神奈川県に「国府津(こうづ)」という地名がありますが、「国府津」という苗字はありませんでした。

「大国護」は「おおくご」と読みます。
実在も確かめられました。


次は「蔵」です。
旧字体は「藏」です。

「蔵」を用いた苗字は300種類ほどありました。

読み方は「くら」が多いですが、「ぞう」も結構あります。

「内蔵」は「うちくら」と読むこともありますが、「くら」と読むこともあります。
「内倉田(くらた)」と「内倉成(くらなり)」は「うち」をつけた読み方がありませんでした。

「五百蔵」は主に「いおろい」と読みます。
難読ですが、稀少苗字ではありません。
兵庫県と高知県で集中しており、全国では1000人以上もいそうです。

「華蔵閣」は「けずかく」と読むそうですが、実在は確認できませんでした。


次は「恵」。
旧字体は「惠」です。

「恵」を用いた苗字は180種類ほどありました。
読み方は「え」が多いですが、「けい」もありました。
他の読み方はなさそうです。

2013年10月9日水曜日

満と総と勧と従と桝に関して

本日は「満」から。
旧字体は「滿」です。

「満」を用いた苗字は250種類ほどありました。
読み方としては「みつ」が多いです。

他には「まん」、「ま」、「み」、「みち」という読みがあります。
読み方の種類は多いですが、だいたいは想像できる範囲内の読みです。


次は「総」です。
旧字体は「總」です。
 
「総」を用いた苗字は20種類ほどありました。
 
読み方としては「そう」と「ふさ(ぶさ)」が半々でした。
 
「上総」は「かずさ」です。
「長総」は「ながおさ」です。
どちらも実在を確認できました。
 
 
次は「勧」です。
旧字体は「勸」です。
 
「勧」を用いた苗字は10種類ありました。
ほとんどは「かん」という読み方をしていました。
 
「勧修寺」は「かじゅうじ」と読みます。
実在も確認できました。
京都府にある寺院の名称でもあるそうです。
 
「勧山」は「すすやま」と読みます。
「村勧」は「むらすすむ」と読みます。

どちらも実在を確認できました。
「勧める」という動詞があるので、そこから連想すれば読めないことはないでしょうが、ちょっとむずかしいです。
 
 
次は「従」です。
旧字体は「從」です。

「従」を用いた苗字は10種類ほどありました。
読み方は「より」か「じゅう」が多いです。

「専従」で「せんと」という読む苗字があると「苗字の百貨店」に載っており、ウェブの「写録宝夢巣」でも1件だけあるのですが、「専徒(せんと)」という苗字の集中する富山県にあり、実在も確認できませんでしたので、スキャンミスなのではないかと考えます。
「従」を「と」と読むのは不自然な気がしますし。



本日の最後は「桝」です。
旧字体ではなく、異体字として「枡」があります。

これもちょっと悩むところです。
Wiktionaryによると「桝」は簡易慣用字体で、「枡」は印刷標準字体でとなっているのです。
苗字として用いられていることが多いのは「桝」の方で、こちらはJIS第1水準。
「枡」は第2水準だったので、「桝」を主体とすることにしました。


桝」を用いた苗字は140種類ほどありました。
読み方はほとんどが「ます」です。

「五桝本」は「ごしょうもと」と読みます。
実在も確認できました。
「桝」を「ます」と読まない唯一の苗字だと思います。

2013年10月8日火曜日

斉と斎と済に関して

本日は「斎」と「斉」をまとめてやります。
旧字体は「齋」と「齊」です。

「斎藤」や「斉藤」が有名ですが、「斎藤」の方が「斉藤」よりも多いです。
苗字の種類でいうと、「斉」を用いたものが130種類ほどで、「斎」を用いたものが110種類ほどなので、逆に「斉」の方が多いのです。

「斎」と「斉」は全く別の漢字ですが、形が似ていますし、苗字としてもほぼ同じように用いられています。
読み方は圧倒的に「さい(ざい)」です。

「斎宮」と「斉宮」は「いつき」と読みます。
実在も確認できます。

「斎」と「斉」も「さい」と読むことが多いですが、「いつき」と読むこともあります。
こちらも実在が確認できます。

「友斎」と「友斉」は「ともなり」と読みます。
これも実在が確認できます。

「小斎平」と「小斉平」は「こせひら」と読みます。
(実在が確認できたのは「小斉平」だけでしたが)

後、「斉料(ときりょう)」という苗字が「苗字の百貨店」で紹介されていましたが、これは実在が確認できませんでした。
単語として存在するのは「斎料(ときりょう)」の方なので、念のために探しましたが、こちらでも見つかりませんでした。


次は「済」です。
旧字体は「濟」です。

「済」を用いた苗字は40種類ほどあります。
読み方としては「すみ(ずみ)」と「さい(ざい)」が同じくらいにありました。

「百済」は「ひゃくさい」と読むこともありますが、「くだら」と読むことが多いです。
なぜこのように読むのかは分かりませんが、普通に日本史で習う読み方ですよね。
どちらの読みでも実在は確認できます。

「西済」は「さいす」と読みます。
実在も確認できました。

「済陽」は「わたよう」と読みます。
これも実在が確認できました。

「済」一字では「わたり」と読むそうですが、これは実在が確認できませんでした。

2013年10月7日月曜日

辺と宝と淵と鶴に関して

本日は複数の異体字のあるものをまとめて。

まずは「辺」から。
旧字体は「邊」です。
それとは別に俗字として「邉」があります。

「辺」を用いた苗字は誰でも思いつくだろう「渡辺」を含め300種類以上あります。

読み方は「べ」が圧倒的に多いです。
「渡辺」以外で「辺」を「なべ」と読むことがないわけではないですが、少数派です。
普通に読めば「辺」は「へん」か「べ」としか読めないわけで、「なべ」という読みが本来ならばちょっと変わった読みなのかもしれません。


次は「宝」。
旧字体は「寶」です。
それとは別に俗字として「寳」があります。

「辺」に対する「邊」と「邉」の関係と同じですね。

「宝」を用いた苗字は200種類以上あります。

「ほう(ぽう、ぼう)」が多いですが、「たから」と読むものも多いです。

「船宝」は「ふなとみ」と読みます。
「宝」を「とみ」と読む苗字は他にもいくつかあります。

「宝方」は「もろかた」と読むそうです。
実在も確かめられました。
これは難読です。

「ほ」と読むことも少数ながらあります。


次は「淵」です。
こちらは異体字(俗字)がふたつ。「渕」と「渊」です。
「淵」はJIS第1水準で、俗字のふたつは第2水準です。

「渊」はほとんどありませんが、「渕」は非常に多く、苗字によっては「淵」よりも「渕」を用いている方の方が多いこともありましたが、これまでと同様に異体字がJIS第2水準であった場合はまとめることにしたいと思います。

「淵」は300種類ほどあります。
読み方は「ふち(ぶち)」がほとんどです。

「淵藤」は「えんどう」と読むそうですが、実在は確認できませんでした。


次は「鶴」です。
異体字として「靍」と「靏」があります。
このふたつはともにJIS第3水準なので、本来ならば扱わなくても良いのかもしれませんが、「苗字の百貨店」に載っていたので、いちおうまとめてしまいます。

「鶴」を用いた苗字は200種類以上もあります。
読み方は「つる(づる)」がほとんどですが、「つ(づ)」と読む場合もわずかにありました。

2013年10月6日日曜日

卯と雑に関して

ずいぶんと予定よりも時間がかかりましたが、この作業にも終わりが見えてきました。

本日は「卯」からです。
旧字体ではないのですが、異体字として「夘」があります。

似たようなものとして「柳」と「栁」があります。
左側に「木」がついただけです。
「柳」の異体字(俗字)として「栁」があるのですが、「栁」はJIS第3水準なので扱っていません。
「夘」はJIS第2水準です。

「卯」を用いた苗字は60種類ほどありました。
読み方は「う」だけです。


次は「雑」。
こちらは旧字体があります。「雜」です。

「雑」を用いた苗字は20種類ほどでした。
読み方は「さい(ざい)」か「ぞう」、「ざつ」、「ざ」があります。
どれも同じくらいずつあります。

「雑花」は「さっか」と読むそうですが、実在は確認できませんでした。


次は「静」。
旧字体は「靜」です。

「静」を用いた苗字は30種類ほどありました。

読み方は「しず」が多いですが、「せい」という読みもあります。
「静」一字では「しずか」と読むことが多いようです。

2013年10月5日土曜日

嶋と松に関して

本日は「嶋」から。

「嶋」はwiktionaryで見ると、「島」の異体字となっています。

しかし、「角川新字源」では「嶋」は「島」の別体字ということになっているのです。
http://www.asahi-net.or.jp/~ax2s-kmtn/ref/old_chara.html

「嶋」の扱いには悩みました。
苗字に用いられることの多い漢字なので、慎重に考えました。

結論としては、「新旧字体表」に載っていないという点と、「嶋」自体がJIS第1水準である点から別字と扱おうと思います。

「嶋」には異体字(俗字)として「嶌」があります。
これも悩ましい問題です。
「島」と「嶋」が異体字の関係にあるとすると、「嶌」も両方の字と異体字の関係にあるわけですから。
「嶌」はJIS第2水準なので、どちらかにまとめることは問題ないと思います。
私としては、「山」と「鳥」を縦に並べるか横に並べるかの違いだけなので、「嶌」と「嶋」をまとめておこうと考えます。

「嶋」を用いた苗字は600種類ほどありました。
ちなみに「島」を用いた苗字は1200種類ほどありました。
読み方は「しま(じま)」だけのようです。
(「島」には「とう」と読む場合もありましたが、かなり稀です)


次は「松」です。
これも異体字(俗字)として「枩」があります。
こちらも「木」と「公」を縦に並べるか横に並べるかの違いだけですね。
「枩」はJIS第2水準なので、まとめます。

「松」を用いた苗字は900種類ほどでした。
「枩」を用いた苗字は30種類ほどで、いずれも稀少なのですが、まとめてしまいます。
読み方は「まつ」が圧倒的ですが、「しょう」という読み方もありました。

2013年10月4日金曜日

浜と関と藤と船に関して

本日は苗字として用いられている種類は非常に多いけれど、読み方自体はそれほどバリエーションのないものを取りあげます。


まずは「浜」からです。
「浜」の旧字体は「濱」です。
「濵」も異体字(俗字)としてありますが、JIS第3水準なので、ここでは扱いません。

「浜」を用いた苗字はかなりあります。
400種類以上はあります。

読み方は「はま(ばま)」だけのようです。


次は「関」。
旧字体は「關」です。
「関」を用いた苗字は200種類以上あります。

読み方は「せき(ぜき)」がほとんどです。

「関東(かんとう)」という苗字があり、他にもいくつか「関」を「かん」と読む苗字もありますが、少数派で、「せき(ぜき)」という読みが圧倒的です。


次は「藤」です。
旧字体ではないですが、異体字として「籐」があります。
「籐」はJIS第2水準です。

「藤」を用いた苗字は更に多いです。
なんと900種類以上もあります。

「伊藤」や「加藤」といったメジャーな苗字にも使われていますし、苗字としての使用頻度はすごく多いですね。

読み方は「ふじ」か「とう(どう)」がほとんどです。
「と」という読みもありそうですが、実在が確認できませんでした。


次は「船」。
こちらも旧字体ではなく、異体字として「舩」があります。
「舩」もJIS第2水準です。

「船」を用いた苗字は200種類以上あります。
読み方は「ふね(ぶね)」と「ふな(ぶな)」と「せん」があります。
やはり「ふね(ぶね)」という読みが多いですが、他のもそれなりにあります。

2013年10月3日木曜日

崎と奇に関して

本日は「崎」からです。
「崎」には異体字として「﨑」と「嵜」と「㟢」があります。
埼」と「碕」は別字という扱いなので、除きます。

苗字の異体字というと、「崎」に対する「﨑」は有名ですよね。
ただし「﨑」はJIS第3水準なので、いわゆる機種依存文字になり、正確な数を調べるのは非常に困難です。
「㟢」もJIS第3水準です。
それなので、「崎」の異体字としてはJIS第2水準である「嵜」だけとしておきます。

「崎」を用いた苗字は多いです。
なんと1000種類以上もあります。
読み方は「さき(ざき)」だけのようです。


次は「奇」です。
こちらも旧字体ではなく、異体字として「竒」があります。
「竒」はJIS第2水準です。
「崎」の異体字である「嵜」と似ていますね。

「奇」を用いた苗字は10種類ほどありました。
ほとんどが稀少苗字です。
多い読み方は「き」です。

怪しいのが多いです。
例えば「大津奇(おおつき)」は実在が確認できませんでした。
「大津寄」と変換すると見つかる名前はありました。

「奇験(きけん)」と「奇能(きのう)」は確認できませんでした。

「山奇(やまき)」は確認できましたが、「片奇(かたき)」は確認できませんでした。

「苗字の百貨店」では「山竒(やまざき)」と「吉竒(よしざき)」という苗字も載っていましたが、実在は確認できませんでした。
「竒」と「嵜」のスキャンミスではないかと考えています。
「奇」という字の異体字を「さき(ざき)」と読むのは無理があります。

それらを除くと「奇」の読みは「き」だけのようですが、ひとつだけ「奇山(はやま)」というのがありました。
これも怪しいです。
実在は確認できませんでした。
しかし他に似た漢字もないし、どうしてこういう読みが出たのかわかりません。
これだけ特別な読み方をするということは実在するのかもしれません。
「奇山」が実在するかどうかの判断は保留しておきます。

2013年10月2日水曜日

篠と条と多と為に関して

本日は「篠」からです。
旧字体ではなく、異体字(簡体字)という扱いで「筱」があります。

「篠」を用いた苗字は100種類以上あります。

メジャーなものとして「篠原(しのはら)」や「篠崎(しのざき)」や「篠田(しのだ)」があります。
「篠」の読み方として最も多いものも「しの」ですが、「ささ」や「じょう」という読みも相当数あります。

「篠生」は「しのお」と読むこともありますが、「さそう」と読むことが多いようです。
実在も確かめられました。

「篠」+「生」で、「柳生(やぎゅう)」や「羽生(はにゅう)」と同じように考えて、「sasa」の最後の母音をぬいて「yu」をつけるのかとも思いましたが、それでは「さしゅう」になってしまいます。
そういう意味で「篠生」はかなり難読です。


次は「条」です。
旧字体は「條」です。
「條」は苗字としてもよく見かけるイメージがあり、私自身には旧字体だという意識がありませんでした。
しかし「條」は新旧字体表にも載っていますし、JIS第2水準でもあるので、「条」にまとめるべきだと考えました。
「條」が旧字体扱いなのに、それにタケカンムリをつけた「篠」が普通に用いられるのは違和感がありますが…
「条」を用いた苗字も100種類以上あります。

「条」はほとんどが「じょう」と読みます。

例外的に「西大条」は「にしおおえだ」と読むことが多いようです。
これ以外にも「小条」も「こえだ」と読むことがあります。
(いずれも「条」を「じょう」と読む場合もありました)

「条」一字でも「こえだ」と読むことがあります(「じょう」と読む方が多いですが)。


次は「多」です。
旧字体ではなく、異体字として「夛」があります。
「夛」はJIS第2水準です。

「多」を用いた苗字はなんと700種類以上もあります。
読み方はほとんどが「た(だ)」です。

「多」一字では「おおの」と読みます。
これはなかなか読めないです。


次は「為」。
こちらは旧字体があります。
「爲」です。

「為」を用いた苗字は90種類くらいありました。
読み方としては「ため」が多いですが、「い」もあります。
他の読み方はなさそうです。

2013年10月1日火曜日

穗と譲に関してと稾はあるのか?

本日は「穂」から。
旧字体は「穗」です。

「穂」を用いた苗字は100種類以上ありました。
読み方は「ほ(ぼ)」がほとんどでした。

「赤穂」は「あこう」か「あかほ」と読みます。

特殊な読みですが、兵庫県に「赤穂(あこう)」市もありますし、難読ではないでしょう。

「永穂」は「ながほ」と読むことが多いようですが、「苗字の百貨店」では「なんごう」という読みも載っていました。
「ながほ」は確認できましたが、「なんごう」は確認できませんでした。

和歌山県に「永穂(なんご)」という難読地名があったので、「なんご」でも探してみましたが、見つかりませんでした。地名としてある読みというのは苗字としてもあることが多いので、探し方が悪いのかもしれません。


次は「譲」です。
旧字体は「讓」です。

「譲」を用いた苗字は7種類ありました。
そのうち6種類は「ゆずり」という読み方でした。

「譲田」だけが「じょうた」という読みでした。
実在も確認できました。
(「苗字の百貨店」では「じょうだ」となっていましたが、検索して見つかったよみには濁点がついていませんでした)


「苗字の百貨店」で「藁谷」の欄にカッコつきで「稾谷」がありました。
wiktionaryで見ると、「稾」は「藁」の別字となっていました。
別字というのは形がよく似ているが、その形成過程が異なり、音声や意味の異なる文字という意味です。
「稾谷」はウェブの「写録宝夢巣」でも1件だけありました。
別字ならば、別枠を設けて「藁谷」とは別に表記しなくてはと思いました。
ただ実際に探してみると「稾谷」が見つからないのです。
全国に1件なので仕方がないかもしれませんが、「稾谷」で見つかったフルネームを「藁谷」に変換して再検索しても見つかります。
ちょっと実在が怪しいなと思いました。
「稾」を用いた苗字は他にないので、実在が確認できるまで削除することにしました。