2013年10月14日月曜日

実と円と当と燈に関して

異体字をまとめる作業も本日が最終日になります。
予想以上に時間がかかり、3ヶ月も費やしてしまいました。
この後は、どんどんと苗字を数えていきたいなと思います。

最終日は「実」から。
旧字体は「實」です。

「実」を用いた苗字は180種類ほどありました。
読み方は「じつ(じっ)」と「さね(ざね)」と「み」が同じくらいの割合でありました。

「実山」は「みやま」か「じつやま」と読むことが多いですが、「たねやま」と読むこともあります。
いずれの実在も確認できました。

「実宗」は「さむね」と読みます。
実在も確認できました。

「実」一字では「みのる」と読むことが多いようです。
実在は確認できませんでした。
一字姓の確認は難しいことが多いです。
特にファースト・ネームとしても用いられるものだと相当に難しいです。
一字姓の確認作業は今後の課題です。


次は「円」です。
旧字体は「圓」です。
これも旧字体を新字体に置き換えている方が少ないだろうなと思う漢字のひとつではあります。

「円」を用いた苗字は140種類ほどありました。
読み方は「えん」が多いですが、「まる」も結構あります。

「円谷」といえば「円谷プロ」があるので「つぶらや」と読めてしまいますが、普通に考えると難読ですよね。
「円谷」は「つぶらや」か「つむらや」と読むことが多いです。
「円」を「つぶら」と読む苗字は他にもいくつかありますが、「つむら」と読むものは他にありませんでした。
「円谷」は他にも「えんや」や「えんたに」、「まるや」と読みます。
「つぶらや」が有名なので、かえって正しく読んでもらえなさそうです。

「円日」は「まどか」と読みます。
実在も確認できました。


次は「当」です。
旧字体は「當」です。


「当」を用いた苗字は140種類ほどありました。
読み方は「とう」が多いですが、他にも「あて」や「あたり」や「と」と読むことがあります。

「当木」は「とうぎ」と読むことが多いですが、「あてぎ」や「あつき」という読み方もあります。
いずれも実在を確認できました。

「当間」と「当麻」と「当摩」はいずれも「とうま」と読むことが多いですが、「たいま」という読み方もあります。
いずれも実在が確認できました。

「日当」は他の読み方もありますが、最も多い読みは「ひなた」です。
「日当瀬」も「ひなたぜ」と読みます。
(「苗字の百貨店」では「ひなたせ」で載っていましたが、調べると濁点がついている方が多いようです)

「福当」は普通に「ふくとう」と読みます。
実在も確認できました。
もうひとつ、「苗字の百貨店」には「とんだ」という読み方も載っていました。
こちらの読みは実在が確認できませんでした。


最後の最後です。
「灯」と「燈」です。
これを最後にしたのには訳があります。
どうするか悩んだのです。

「灯」が新字体で、「燈」が旧字体なのです。
両方ともJIS第1水準です。
それはよくあることです。

問題なのは、「苗字の百貨店」で見ると「灯」を用いた苗字は5種類で、「燈」を用いた苗字は16種類だったことです。
旧字体を用いている方が圧倒的に多いのです。
他にはこういうことはありませんでした。

「灯」を用いた苗字では「灯」を「燈」に置き換えても全て成立するのですが、逆は成立しないことが多いのです。

悩みましたが、これだけ例外的に「燈」に「灯」をまとめることにしました。
まとめておかないと他と矛盾するだろうと考えたので。

読み方は「とう(どう)」が多いです。

「燈下」は「とのした」と読みます。
実在も確認できました。

「長燈」は「ながと」で、「火燈」は「ひとぼし」と読むそうですが、どちらも実在は確認できませんでした。

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