本日は「竜」と「滝」と「篭」を一気に扱います。
「竜」の旧字体は「龍」です。
ついでにいうと、「滝」の旧字体は「瀧」です。
「篭」は常用漢字ではないのですが、異体字として「籠」があります。
「龍」はJIS第1水準ですし、いちいち新字体に置き換える必要がないのではないか?とも思いましたが…
次のふたつの理由で、結局はまとめることにしました。
・戸籍上で旧字体を用いた苗字であっても、新字体を用いて名乗ることに問題はない
・「龍」を特別扱いにすると「瀧」も「籠」も同じように考えないといけなくなる
要するに、「龍」を用いた苗字の方がわざわざ「竜」に置き換えて名乗っていることはあまりないかもしれないけれど、ゼロとも言えないのでまとめておこうということです。
では、まず「竜」から。
「竜」を用いた苗字は180種類ほどありました。
読み方はほとんどが「たつ」か「りゅう」です。
「りょう」と読む場合もあるのですが、だいたいは複数ある読み方の少数派に過ぎません。
唯一、「竜子」という苗字だけは「りょうこ」と読むことの方が多かったです。
この読みで実在も確認できました。
(「りゅうこ」という読みもあります)
難読苗字で有名な「臥竜岡」。
これで「ながおか」と読みます。
よく紹介されているのですが、実在が確認できませんでした。
ウェブの「写録宝夢巣」では「臥竜岡」で1件、「臥龍岡」で2件しかなかったので、仕方がないのかもしれません。
「北竜」は「きたきみ」と読みます。
実在も確かめられました。
なぜ「竜」で「きみ」と読むのか?不思議です。
何かの置き換えなのでしょうか?
次は「滝」です。
「滝」を用いた苗字は更に多く、280種類ほどありました。
読み方は「たき(だき)」だけでした。
次は「篭」です。
「篭」を用いた苗字は80種類ほどでした。
本日の3種類のうちでは最も少ないようですが、読み方は最も多様です。
多いのは「かご」か「こもり(ごもり)」です。
次に多いのは「こ(ご)」という読みです。
「江篭(えご)」は鹿児島県に集中していますが、決して稀な苗字ではありません。
他にも「こ(ご)」という読み方をするものはたくさんありました。
「葛篭(つづら)」というのは読みにくいですが、竹で編んだ衣装箱が思い浮かびますよね。
「葛篭」を用いた苗字も4種類ありました。
「堀篭」は「ほりごめ」と読むことが多いです。
「篭田」は「かごた」と読むことが多いですが、「こもた」と読むこともあります。
「茂篭」は「もろ」と読みます。
これも稀少な苗字ではなく、実在も簡単に確かめられます。
「鹿篭」は「しかもり」と読むそうですが、実在は確かめられませんでした。
広島県に「鹿籠(旧字体の方)」という地名がありますが、これは「こごもり」と読みます。
「竜」と「滝」と「篭」を調べて分かったこととしては、「竜」と「篭」に関しては「龍」と「籠」を用いている苗字の方が多かったです。
「滝」は「瀧」の方が少ない印象です。
今回の中で、例えば「江篭」などは「江籠」の方が圧倒的に多いわけです。
そういった場合、まとめられてしまうと違和感を覚えると思います。
新字体と旧字体をまとめてしまえば良いというわけではなく、難しい問題です。
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