こjこのところ、これまで異体字としてまとめていた漢字を分ける作業をしていました。
ついでというわけでもないですが、かねてから気になっていた「条」と「條」を検討してみました。
「條」は「条」の旧字体であり、JIS第2水準です。
http://new5g00.blogspot.jp/2013/10/blog-post_2.html
それなので、新字体と旧字体をまとめてしまおうという趣旨で考えると、このふたつは並列で表記すべきだと思います。
しかし、そうは思っても違和感がありました。
実際に、そういう意見が掲示板でも寄せられました。
「條」という漢字を用いた有名人はいくらでも思いつきます。
逆に「邊」や「邉」、「齊」や「齋」を用いた有名人はなかなか思いつきませんよね。
また「條」という漢字は「篠」という漢字のタケカンムリを除いただけのものなので、複雑で、表記しにくいというわけではありません。
ひとつひとつの苗字を検討しても、分布している地域は共通していることが多いのです。
そういう意味では、元は同じだと思っています。
ちょっと違いそうだなと思ったのが、「大条」および「大條」という苗字です。
「大條」という苗字は「おおえだ」か「だいじょう」と読みます。
調べた印象でいうと、「おおえだ」の方が多いようです。
(「苗字の読み方辞典」でも、そうなっていました)
しかし、「大条」は「だいじょう」という読み方しか確認できませんでした。
丁寧に探すと、「大条広(おおえだ・ひろし)」という方が見つかりますが、1980年以前の論文での名前だけで、現在は「大條廣」となっています。
http://ci.nii.ac.jp/author?q=%E5%A4%A7%E6%9D%A1+%E5%BA%83
昔はパソコンの性能も低く、JIS第1水準しか表示できなかったこともあり、このようなことが起きたのだと思います。
要するに「大条」で「おおえだ」となっているのは幽霊読みの可能性があるということです。
そういう例外がひとつでもあると、やはり「条」と「條」は分けるべきかなと思います。
他にないかも検討しました。
「東條」では「とうじょう」以外に「ひがしじょう」という読みがありましたが、「東条」は「とうじょう」だけでした。
「北条」では「ほうじょう」と「きたじょう」以外に「ほくじょう」という読みがありましたが、「北條」では「ほうじょう」と「きたじょう」だけでした。
「上條」では「かみじょう」と「うえじょう」以外に「じょうじょう」という読みがありましたが、「上条」では「かみじょう」と「うえじょう」だけでした。
これらはいずれも稀少な読みの有無の違いなので、大きな違いではないかもしれません。
しかし、「大条」では「おおえだ>だいじょう」であるのに、「大條」は「だいじょう」のみである点は、「条」と「條」を別扱いにすべき理由になると考えます。
これで新字体と旧字体を分けて考えるものが「岳」と「嶽」、「万」と「萬」、「竜」と「龍」に次いで、4つになります。
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