以前から悩んでいた「竜」と「龍」の問題に関してです。
「竜」と「龍」は新字体と旧字体の関係にあります。
ただ、他のものと異なり、「龍」という漢字は独立して知られていると思います。
意味は「竜」と同じで、読み方も同じだけれど、使い分けをしているのではないでしょうか?
例えば飾り凧に書いてあるのは「龍」であって、「竜」ではおかしいですよね。
漢字の形もまるで違うし、このふたつをまとめるのは乱暴な気はしていました。
特に、旧字体といっても「龍」はJIS第1水準なのです。
つまり、よく使われる漢字であると判断されていたということです。
気になる点としては、「竜」を用いた苗字と「龍」を用いた苗字は、いずれも集中している地域が似ていることが多いことです。
戸籍上は「龍」であっても「竜」を用いているひとがいるのではないか?という不安が残ってしまうのです。
前置きが長くなりましたが、「竜沢」と「龍沢」という苗字を検討してみました。
実数でいうと、「竜沢」+「竜澤」が520+40=560人、「龍沢」+「龍澤」が50+130=180人でした。
読み方はいずれも「たつざわ」なのですが、「龍沢(龍澤)」の方でだけ「りゅうさわ」という読みを確認できました。
実数でいうと圧倒的に少ない「龍沢(龍澤)」の方でだけ、「りゅうさわ」という読みがあるという点が、見直すきっかけとなりました。
これまでに載せてきた「竜」+「龍」のつく苗字を再検討してみました。
「竜口」および「龍口」という苗字は「たつぐち」と読むことが多いのですが、こちらも実数の少ない「龍口」でだけ「たつのくち」という読みを認めました。
「竜崎」および「龍崎」という苗字は「りゅうざき」と読むことが多いのですが、こちらも実数の少ない「龍崎」でだけ「たつざき」という読みを認めました。
「竜野」および「龍野」という苗字は「たつの」と読むことが多いのですが、「龍崎」でだけ「りゅうの」と「りょうの」という読みを認めました。
これらを踏まえて、「竜」と「龍」は別の漢字であると判断し、今後はバラバラに集計することとします。
「滝」と「瀧」、「篭」と「籠」はそのままにします。
新字体と旧字体を分けてしまうのは、「岳」と「嶽」、「万」と「萬」に続いて3つ目です。
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