「淵」と「渕」は異体字の関係にあるのですが、このふたつは分けています。
本来は「淵」が正字で「渕」が俗字という扱いのようですが、苗字として用いられるときは「渕」の方が多いようです。
「蔵淵」と「蔵渕」の話になります。
ウェブの「写録宝夢巣」で見ると、「蔵渕」は全国で14件。
福岡県と大分県に4件ずつ。
茨城県に3件でした。
この3件で14件中11件なので、かなり少なくて分布も一部に集中している苗字だということが分かります。
対して「蔵淵」は全国で12件。
そのうち茨城県に7件で、大分県に3件でした。
ここから分かることは「蔵淵」と「蔵渕」の由来はおそらく同じなのだろうなということと、茨城県発祥のものと大分県発祥のものがあるのだろうなということです。
そして茨城県の方は「蔵淵」だったのだろうなということです。
「苗字の読み方辞典」ではいずれも「くらぶち」として載っていました。
唯一、「蔵」の旧字体である「藏」を用いた「藏淵」だけは「くらぶち」と「ぞうぶち」という読みが併記されていました。
今回、改めて調べてみたところ、「蔵淵」もしくは旧字体の「藏淵」では「ぞうぶち」という読みしか見つかりませんでした。
https://www.facebook.com/yukako.zobuchi
「くらぶち」という読みがあるのかどうか分かりませんが、あったとしてもわずかだと思います。
「蔵渕」の方は「くらぶち」という読みが多いようです。
おそらく九州地方に多いのだと思います。
https://www.facebook.com/hitoshi.kurabuchi
「蔵渕」で「ぞうぶち」という読みもありました。
https://www.facebook.com/yoshimitsu.zobuchi
http://ci.nii.ac.jp/naid/110005717739
ここまでの結論としては、「蔵淵」は茨城県由来で「ぞうぶち」と読み、「蔵渕」は大分県由来で「くらぶち」と読むのが元になっているのだと考えました。
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