「鮏川」と「鮭川」は見た目が似ていますね。
「鮭」は「さけ」です。
読めますね。
JIS第1水準です。
誰でも読める漢字ではありますが、苗字として用いられることは稀で、「鮭川」の他には「鮭延(さけのぶ)」という苗字しかありません。
ウェブの「写録宝夢巣」では「鮭川」が全国で12件、「鮭延」が2件でした。
いずれもかなりの稀少苗字です。
「鮭延」は「さけのぶ」としか読まないようですが、「鮭川」は「さけかわ」と読む以外に「すけがわ」という読みもありました。
いずれの読みも実在を確認できました。
「鮭」は「さけ」と読み、「すけ」という読み方はないのに不思議ですよね。
ヒントは「鮏川」にありました。
「鮏」はJIS第3水準です。
魚の「サケ」を辞書でひくと、「鮭」と併記して「鮏」も載っていました。
http://www.weblio.jp/content/%E9%AE%8F
「鮏」が「鮭」の異体字であるとはなっていないのですが、意味としては同じなのでしょう。
本来は「鮏」も「さけ」と読むようです。
しかし、苗字としては「鮏川」は「すけがわ」と読むのです。
JIS第3水準を用いた漢字なので、ウェブの「写録宝夢巣」では出ませんが、「苗字の読み方辞典」では約600人となっています。
「鮭川」が約12件で、約90人となっていますので、「鮏川」の方がずっと多いことになります。
「鮏川」で「すけがわ」となっていた方の一部が、漢字表記できないため似た漢字である「鮭川」と変えたが、読みはそのまま「すけがわ」にしたという説はいかがでしょうか?
ちなみに「鮏」という漢字を用いた苗字はこれが唯一です。
これまで「棈松(あべまつ)」や「桵沢(たらさわ)」といったJIS第3水準の漢字を用いた苗字を紹介してきましたが、それ以来のJIS第3水準です。
だんだんとJIS第3水準の漢字を載せる機会も増えてきました。
「鮭川」より「鮏川」の方がずっと多いということや、「鮏川」では「さけかわ」という読みが確認できなかったこと、「鮭」と「鮏」は同じ意味を持つ漢字ではありますが異体字であるとの証拠が得られなかったことから、これらは全く別のものとして扱います。
(「烏」と「鴉」は異体字でないのと同じ理由です)
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