2014年2月2日日曜日

萱と萓に関して

「萱」と「萓」は非常に似ていますが、別の字のようです。

以前に異体字をまとめたとき調べてあったのですが、このふたつの漢字は異体字の関係にはないようで、特に紹介はしませんでした。

「萱」は「かや」と読みます。
苗字として用いられるときは、ほぼ「かや(がや)」というよみしかありません。

「萓」も苗字として用いられるときは「かや(がや)」という読みしかありません。
ただし漢字辞典では「萓」には「かや」という意味はなさそうで、「かや」と読むのは誤記の定着のようです。
(このあたりは正確なところは分かりませんが…)

先日、この「萓」を用いた苗字の方に会いました。
高齢の方でした。
珍しい苗字なので、はっきりとは書きませんが「◯萓(△△かや)」というものでした。
これは「苗字の百貨店」にも載っていないものでした。

新規の苗字だ!と大喜びしました。
その方の場合、保険証にもそのように印刷されていたので、間違いがないと思いました。
しかし、手書きで書かれた苗字はどうも「萱」となっているように見えます。

不思議に思って息子さんとお孫さんの名前も確認しました。
こちらは保険証に「◯萱」となっていました。
要するに同じ苗字でありながら、異なる漢字を用いているのです。

どうしてなのか尋ねると、「本当は『◯萱』が正しいんですよ。『◯萓」は古い字なんだと思いますよ」と特に気にしていないような返事がありました。

私としては、以前に調べてあり、「萓」が「萱」の旧字体でも異体字でもないことを知っていましたが、そんなことをしつこく聞いても仕方がないので、それ以上は追求しませんでした。

普通は本人たちでも気にしないんだなと思いました。

とりあえず、今回の「◯萓」は新規の苗字とは認めないことにします。
あくまで息子や孫が名乗っている「◯萱」が正しいものと考え、「萓」の方は誤りなのだと考えておきます。
「かや」を変換しても「萓」は出てきませんし。

3 件のコメント:

  1. 初めまして。
    萓(かや)と申します。
    どう調べてその解釈となったかわかりかねますが、当家では家系図から読み解き、おそらく平安末期より「萓」と言う漢字を(かや)と呼び現世まで続く家系でございます。
    かやで変換した場合、「萓」がでないから(かや)とは読まない結論に至った経緯をご説明下さい。

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  2. 菅(すげ)の異体字と用いられたところも多いですね。夕萓、日光黄萓、笠萓、金萓種を見つけました。

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  3. https://kotobank.jp/word/%E8%8C%85%E3%83%BB%E8%90%B1-234232
    和名抄」「名義抄」などに「かや」とよむ文字は「萓」。字形が似ているところから、後世誤ったもの。

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