「獄」のつく苗字に関しては、以前からまとめたいなと思っていたのですが、数が少ないので後回しになっていました。
「獄」は「岳」の旧字体である「嶽」によく似ていますが、全くの別字です。
以前にもちょっと書きました。
http://new5g00.blogspot.jp/2013/09/blog-post_8.html
なにしろ”地獄”の”獄”ですからね。
そんなに苗字として用いられているとは思えません。
「獄」を用いた苗字は全て「嶽」に変えても実在するものばかりです。
おそらく誤記定着系のものだと考えています。
確実に存在するなと思われるのが、「大獄(おおたけ)」という苗字で、ウェブの「写録宝夢巣」で見ると全国で6件。
そのうち3件が静岡県沼津市に集中していました。
念のために「住所でポン!」でその方々のフルネームを調べ、そのものの名前と「獄」を「嶽」に変換したもののふたつを検索してみました。
やはり電話帳に載っているというのは信頼できます。
また「獄」を「嶽」に変換してみると、ほとんど検索できなくなってしまったので、「大獄(おおたけ)」という苗字は実在すると考えられます。
同じことが「獄本(たけもと)」という苗字にもいえます。
こちらは全国で3件です。
今のところ「獄」という漢字を用いた苗字で、実在しているのが間違いなさそうなのはそのふたつです。
ここで「野獄」という苗字を検討してみます。
「野嶽」であれば「のだけ」と読み、北海道や富山県を中心として全国で65件も認められます。
対して「野獄」は全国で3件でした。
富山県に1件と鳥取県に2件でした。
ただし2012年版の「住所でポン!」では富山県と鳥取県に1件ずつのようです。
鳥取県…
http://www.jusyopon.com/data/2012/index.php/46/6/5.html
富山県…
http://www.jusyopon.com/data/2012/index.php/14/12/22.html
ここで例えば鳥取県の方のフルネームを「嶽」に変換してみると、かなりヒットすることが分かります。
http://www.jarac.or.jp/roei/31.asp
逆に「獄」のままでは「住所でポン!」以外にほとんどひっかかってきません。
富山県の方はもう少し複雑です。
2012年版の「住所でポン!」では「野獄」なのですが、2007年版では「野嶽」となっているのです。
これではどちらが正しいか判断できません。
電話帳であっても当てにならないのでは?という気がするのです。
「野獄」は幽霊苗字のような気がするのです。
この苗字の実在に関しては、よく検討しなければなりません。
同じことが「中獄」にもいえます。
確かに2007年版の「住所でポン!」には載っているのですが、フルネームで検索してもひっかかりません。
こちらの場合は、「獄」を「嶽」に変換してもダメでした。
ないともいえませんが、あるともいえないのです。
「野獄」と「中獄」に関しては実在が確かめられないので保留します。
「野嶽」と「中嶽」は実在します。
それぞれ「のだけ」と「なかたけ」と読みます。
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