2014年12月22日月曜日

棈松に関して

ついに出てきました。
「棈」という漢字。
これはJIS第3水準なのです。
要するにこの文章を読んでいる環境によっては、何が書いてあるか分からないというような文字だということです。

先日の「桵沢(たらさわ)」のように、非常に珍しい苗字であればJIS第3水準を用いたものがあっても不思議ではないのですが、ある程度以上の数がある場合は、あまりそういうことがありません。

現にこれまで1,000人以上の苗字を調べてきた限りではJIS第3水準でなければ表せない苗字というのはありませんでした。
(「﨑」のように「崎」に置き換えられれるものは除きます)

本題に戻って、「棈松」は「あべまつ」と読みます。
全国で950人ほどいるようです。
「棈」を用いた苗字としては他に「棈木(あべき、180人)」と「棈野(あべの、50人ほど)」があります。

JIS第3水準を用いた漢字なのでウェブの「写録宝夢巣」では探せません。
ひらがな混じりで「あべ松」などと入れれば何件かヒットします。
これらの苗字は全て鹿児島県に集中しています。

数としてはある程度あるけれど、地域が限られてしまっているので、JIS第3水準にとどまっているのでしょうね。
とりあえず、JIS第3水準を用いなければ表せない苗字として最多なものは「棈松」だと思います。
ちなみに「棈」となっていますが、本来は「木」+「青」のようです。
ただし、そういう漢字はJIS第4水準までには見当たりませんでした。
それなので、「棈」を用いています。

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