2014年1月8日水曜日

戸嶋と新嶋と生田目に関して

「戸嶋」は「としま」か「とじま」と読みます。

以前にも書きましたが、「嶋」も「嶌」も「島」の異体字です。

「嶌」はJIS第2水準ですが、「嶋」と「島」は第1水準です。
新旧字体表に入っているものであれば、旧字を新字に併せていますが、そうでなければJISでの分類を参考にしています。

「嶋」は第1水準なので、「島」とは別に集計しています。

他には「富」と「冨」、「峯」と「峰」、「園」と「薗」、「刈」と「苅」などがあります。
これらは別に集計しているのですが、基本的には同じ意味の漢字なので、ほぼ読みも一緒です。

そういう意味で、念のために「戸島」を調べてみると、「としま」と「とじま」の他に「こじま」という読みもありました。
「戸嶋」でも調べてみると、やはり「こじま」という読みが見つかりました。


「新嶋」はどうでしょうか?
「新島」は主に「にいじま」と読みますが、「しんしま」という読みもありました。
「新嶋」は「苗字の百貨店」では「にいじま」という読み方しか出ていませんでしたが、「しんしま」はないのでしょうか?
探してみましたが、これは見つかりませんでした。

思うに「新島」は5,500人ほどいるのに、「新嶋」は180人ほどしかいない苗字だからではないでしょうか?
さすがに全国で180人ほどしかいない苗字では読み方が複数にならなくても仕方がないと思います。
ただし、基本的には「島」と「嶋」のように異体字だけの違いの苗字というのはほぼ同じ読みを持つと考えて良いと思っています。
そして実数が少ない方の苗字では読みが少ない可能性はあるのだと思います。


話題は変わります。
「生田目」は「なまため」と読むことが多いですが、他に「いくため」と「なばため」という読みもありました。
「いくため」はもちろん全く異なる読みですが、「なばため」と「なまため」はどうでしょうか?
悩ましいなと思いましたが、「生田目」で「なばため」という読んでいる場合は、「吉原」や「小笠原」の「原」を「はら」と読むか「わら」と読むかよりもはっきりとしたこだわりがあるのではないかと思いました。

特に「なばため」は全体の1割以下の稀少な読みなので、ここでまとめてしまうと存在が消えてしまいます。
考えた末、「なばため」は別扱いとすることにしました。

そのため、以前に「円谷」の読みで「つむらや」を「つぶらや」と別記にしないで、併記にとどめたのですが、やはりこれも分けることにしました。

2014年1月7日火曜日

鳥生と富塚と冨塚に関して

「鳥生」は「苗字の百貨店」によると、「とりう>とりゅう」となっていました。

私が調べた印象では、ほぼ半々かな?と思いました。

「柳生」や「瓜生」のところでも検討しましたが、これらの「◯+生」は一文字目の最後の母音を除いて「yu」に置き換えることが多いようです。
「やぎう」や「うりう」ではなく、「やぎゅう」や「うりゅう」が通常のようです。

そうでないと、「羽生」を「はにゅう」や「はにう」と読むことがうまく説明できません。

例えば「大豆生田」という苗字に関しては、「おおまめうだ」が「おおまみゅうだ」より多い印象です。

「鳥生」の読みとしては「とりう」か「とりゅう」を分ける意味はないと思います。
後はどちらをメインにするかということなのですが、ほぼ同程度なら他の苗字に揃えて、「とりゅう」にした方が良いのかなと思いました。

これも難しい問題なのですが。


「富塚」と「冨塚」は「とみづか」や「とみつか」と読みます。
数でいうと「富塚」が全国で5,300人程度で、「冨塚」が1,800人程度と大きく差がありました。

「苗字の百貨店」で見ると、ともに「とづか」という読みも出ていました。

ただし改めて調べて見ると、実数の少ない「冨塚」の方には「とづか」の読みがありましたが、「富塚」の方では見つかりませんでした。
数の多い方で読みが少なくなるとは考えにくいので、きっとあるのでしょうが、とりあえずは結果を尊重しておきます。

2014年1月6日月曜日

築地と円谷に関して

またまた悩ましい読みの苗字です。

「築地」は「つきじ」と読むことが多いですが、「ちくじ」や「ついじ」もありました。

実際には「苗字の百貨店」では「つきじ>つきぢ(ちくち・ついじ・ついぢ・ちくじ)」となっていました。

「地」に濁点がついたときは、「じ」だったり「ぢ」だったりすることがあるのですが、「地面(じめん)」というので、「じ」で統一してしまっています。

「ついじ」をどうするかは悩ましいところですが、やはり明らかに「つきじ」とは異なるものだと考え、別扱いとしておきます。


「円谷」はどうでしょうか?
こちらは「苗字の百貨店」で「つむらや・つぶらや(えんたに・まるや・えんや)」となっていました。

全て実在も確認できました。
更に「まるたに」も見つけました!

問題は「つむらや」と「つぶらや」は別扱いにすべきか?ということです。

「目をつぶる」と「目をつむる」の使い分けみたいなもので、分ける必要はないのではないのかな?とも考えます。
濁点の有無の違いと同様に考えると、別に分けなくても良いのではないかと。

分けないのであれば、「つむらや」と「つぶらや」のどちらを主にすべきか?

このへんはまだまだ結論が出ません。
とりあえず、分けないことにしておきますが、後で結論を変えるかもしれません。


(追記)
「生田目」という苗字で「なまため」と「なばため」を分けることにしました。それと同様に「円谷」も「つぶらや」と「つむらや」は分けることにしました。

2014年1月5日日曜日

田子と田平に関して

「田子」は「たご」と読むことが多いです。

「苗字の百貨店」では他に「たこ」と「たっこ」が載っていました。
どちらも実在を確認できました。
「たこ」は濁点の有無だけなので「たご」と統一しました。

「たっこ」は別記しました。


「田平」は「たひら」か「たびら」と読むことが多いです。
他には「でんひら」と「たいら」がありました。

「でんひら」は簡単に実在を確認できました。

「田平」と書いて「たいら」と読むことはあまりないようですが、実在していそうです。
ひとりだけなら誤記かもしれないなと思ったのですが、複数人(おそらく親族)で確認できたので、間違いないと判断しました。

問題は「たいら」をどう扱うかです。

「ひ」や「ほ」と書いてあっても歴史的仮名遣いのような場合、「い」や「お」と読むことがありますよね。
それと同じようなものではないか?と考えたのです。
それであればわざわざ別記にしなくても良いのではないかという気がしますし、これまでも併記にとどめています。

例えば、「土肥」という苗字であれば、「どい」と読み、「どひ」を併記にとどめています。
これは「どひ」と書いてあっても、「h」は発音していないのではないかと思ったからです。

もうひとつ考えたのは、「田平」の「田」を読まずに「平」だけを発音している可能性です。
それであれば「たいら」で問題ない気がします。
その場合は、「たひら」とは分ける方が良い気がするのです。

悩ましいですが、いちおう実在は確実そうであるので、別記にしておきます。

2014年1月4日土曜日

春原に関して

ネタがないので、ちょっとムリヤリな感じですが…

「春原」は「すのはら」と読むことが多く、次が「はるはら」です。

他に「すはら」という読みもありました。

「苗字の百貨店」によると「かすはら」もあるそうですが、これは実在を確認できませんでした。

「かすはら」は「春日(かすが)」から考えれば、ありそうですが。


「春原」と書いて、最も多い読みが「すのはら」というのは知らないと難読です。
ただし、全体で5,000人以上はいましたので、出会う機会はありそうです。

もとは難読であっただろう「長谷川」や「服部」が、実数が多いために誰でも読める苗字となっているみたいなものかもしれません。

2014年1月3日金曜日

覧に関して(訂正)

以前に「覧」の旧字体として「覽」を紹介しました。

「覧」を用いた苗字は全部で7種類ありましたが、多いものとしては「瑞慶覧(ずけらん)」と「加覧(がらん)」くらいです。
旧字体の「覽」を用いていそうなのもこの2種類だけだったのですが、改めて調べてみると、実在を確認できませんでした。

以前に「覇」の異体字としての「霸」を紹介しておきながら、後で結局は見つからなかったといって訂正してしまったことがありますが、これも同じです。

現時点では「覧」は新字体だけと考えておきます。
 

2014年1月2日木曜日

三宮に関して

あけましておめでとうございます。

特に新年だからといって、特別なこともしません。

「三宮」に関してです。

「さんのみや」と読むことが多いようですが、「さんみや」と「さんぐう」もそれなりにあります。

他には「みみや」もありました。

「苗字の百貨店」で見ると、「みつみや」という読みもありました。
いかにもありそうな読みです。

ただし、探してみると、小説の主人公や芸名としてはありますが、はっきりと本名というのが見つかりませんでした。
とりあえず確実なものが見つからない限り、はずしておこうと思います。