2017年10月26日木曜日

貂革と𧲸革に関して

前日からの続きです。
「貂」を用いた漢字として、「上貂」と「貂革」がありそうでした。
ただ、「上貂」は「かみはざ」と読み、正しくは「上㹦」のようです。

「貂」はJIS第2水準で、「㹦」は第4水準です。
異体字の関係にあるようです。

「貂革」は「てんのかわ」と読みます。
こちらも正しくは「𧲸革」のようです。
「𧲸」がどういう意味を持つ漢字かは分かりません。
こちらもJIS第4水準です。
神奈川県の苗字です。

こちらは漢字の読みから考えて「貂」の「革」が正しそうな気がします。
誤記の定着なのでしょうか?

以上から「貂」という漢字を用いた苗字は戸籍上にはないのではないかと考えます。
これらが同一の漢字に置きかわっていたのであれば併記という形でも良いのですが、別々の漢字であり、発祥の地と思われる場所も異なっているので別のものとしてしまいます。

更にここからが問題です。
私の環境ではパソコンからもスマートフォンからも、この「㹦」と「𧲸」という漢字を見ることができました。
ただし、「𧲸」は環境によっては見られないことがあるようです。
同じJIS第4水準の漢字でも見られるものと見られないものがあるようです。
そのため、便宜的に「𧲸革」だけは「貂革」としておきます。
見られない漢字で表を作っても仕方がないですから。
問題が解決して、ほとんどの環境でこの漢字が見られるようになったら載せようと思います。

最後に、ここまでで見つけたJIS第3水準と第4水準の漢字を用いた苗字のまとめです。

【JIS第3水準】
草彅(くさなぎ)…秋田県 3,000人
棈松(あべまつ)…鹿児島県 1,500人
鮏川(すけがわ)…茨城県 600人
橳島(ぬでじま)…群馬県 510人
罇(もたい)…新潟県 420人
棈木(あべき)…鹿児島県 380人
晴柀(はれまき)…富山県 330人
﨤町(そりまち)…長野県 310人
魵沢(えびさわ)…福島県 300人
粠田(すくもた)…福島県 220人
鰀目(えのめ等)…石川県 190人
乙咩(おとめ)…大分県 180人
枻川(かじかわ)…埼玉県 160人
嶧田(えきだ)…島根県 140人
桵沢(たらさわ)…福島県 120人
嵓(いわお)…京都府 90人
凢内(おおち)…高知県 80人
棈野(あべの)…鹿児島県 50人
長嶧(ながえき)…島根県 50人
大嶧(おおえき)……? 40人

【JIS第4水準】
蓜島(はいしま)…埼玉県 2,200人
鸙野(ひばりの)…宮崎県 520人
上㹦(かみはざ)…富山県 40人
悦覟(えつみ)…? 20人

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