2013年9月7日土曜日

巻と気と権と讃と区に関して

またペースが落ちているので、簡単にまとまりそうなのを選んでいきます。

「巻」の旧字体は「卷」です。
「巻」を使う苗字は140種類ほどあります。

10000人以上いるメジャーなものは意外に少なく、「八巻(やまき)」くらいでした。
読みはほぼ「まき」だけしかないようです。

「巻木」という鹿児島県に集中している苗字があります。
だいたいは「まきき(まきぎ)」と読むようですが、「まっき」と読む方もいました。
これは実在も確認できました。
「巻」と書いて「まき」と読まない例外的なものでした。


次は「気」。
旧字体は「氣」になります。
50種類くらいあります。

読み方は「き(ぎ)」か「け」だけです。
やや「き」の方が多いですが、「け」もかなりありました。


次は「権」。
旧字体は「權」です。
こちらも50種類ほどありました。
読み方は「ごん」が多いです。「けん」もありますが、少数派でした。


次は「讃」。
旧字体は「讚」です。
10種類ほどありました。

読み方は「さ」が多いです。
「讃岐(さぬき)」という地名を考えてみれば、わかりやすいですね。
「さん」という読みもあります。

「讃良」という苗字があります。
これは「さがら」か「さわら」と読みます。
どちらの読みも確認できました。
難読ですね。


次は「区」。
旧字体は「區」になります。
3種類しかありませんでした。
いずれも稀少なものばかりでした。

2013年9月6日金曜日

営と栄に関して

本日は「営」から。
旧字体は「營」です。
苗字としては使われていそうで、実はあまりなく。
4種類しかありませんでした。
そのうち3種類は、そのまま「えい」でした。
唯一、「営田」だけは「つくた」と読んでいました。
実在も確認できました。
「営」という漢字から「つく」という読みは思いつきませんが、どういう由来なのでしょうか?


次は「栄」。
こちらの旧字体は「榮」です。
こちらは「営」と異なり、200種類以上もありました。
読み方も多様です。
多いのは、やはり「えい」です。
次に多いのは「え」ですね。
この「えい」か「え」かの違いに法則性のようなものが見いだせませんでした。

もちろん、「さかえ」という読みもありました。
他には「さか」や「はえ(ばえ)」という読みも多かったです。

例えば、「◯栄」という苗字があったとして、その場合の「栄」を「えい」と読むか、「え」や「さか」や「はえ(ばえ)」と読むかが全く分からなかったです。

「栄祝」は「さいわい」と読みます。
実在も確認できました。
「栄」を「さ」と読んでいます。
他にもありそうですが、「さ」と読んでいるのはこれだけのようでした。

「光栄」は「みつはな」と読みます。
これも実在を確認できました。
「栄」を「はな」と読んでいるんですね。

「花栄」は「はなえ」と読むことが多いようですが、「はなぶさ」と読むこともあるそうです。
(実在は確認できませんでした)
「栄」一字でも「さかえ」と読むことが多いのですが、やはり「はなぶさ」と読むこともあるそうです。
(こちらも実在は確認できませんでした)

「栄子」は「えます」と読むそうです。
これも確認できませんでした。
ファーストネームとしてもありそうな名前というのは、確認がしにくいです。

「保栄茂」という苗字があります。
沖縄県に集中している苗字です。
読み方は「ほえも」だそうです。
地名としてもあります。
これを「びん」と読むこともあるそうです。
地名としては「保栄茂」と書いて地元では「びん」と読んでいるそうですが、苗字としてもそのように名乗っている方がいるのでしょうか?




2013年9月5日木曜日

廻と廼に関して

本日は「廻」から。
こちらは旧字体ではなく異体字という扱いで「迴」があります。

「廻」の入った苗字は60種類ほどあります。

「廻」という漢字は、音読みでは「かい」、訓読みでは「まわ・る」ですね。
苗字の読みとしても「まわり」や「かい」が多いです。
そのふたつに並んで多いのが「さこ(ざこ)」という読みでした。

次に多いのが「めぐり」です。
「廻」と書いて「めぐり」と読む。
連想ゲームみたいですね。
ちょっと難しいです。

この漢字はとにかく読みが多彩です。
「廻上」と「廻神」。
このふたつは「えがみ」と読みます。
「廻」で「え」と読んでいるわけですね。
(「廻神」には「めぐりがみ」という読みもあります。実在も確認できました)

「大工廻」という苗字もあります。
これは「たくえ」と読みます。
やはり「え」と読んでいるわけですが、他に「だくじゃく」という読みも確認できました。
「だくじゃく」というのは沖縄県の地名だそうです。

他に「水廻」という苗字もあります。
実在は確認できませんでしたが、「すもうり」と読むそうです。

「廻立」は「まわたち」という読みが確認できました。

「三廻部」は「みくるべ」です。これも確認できました。

「竹廻間」は「たかば」と読みます。これも確認できました。
難しい!
「竹廻間」には「たけはざま」という読みもあるそうですが、こちらの実在は確認できませんでした。
ただ、「廻間」と書いて「はざま」と読む地名があるので、苗字としてもありそうですね。

「門廻」は「せど」と読みます。
こちらも確認できましたが、かなり難読です。
どういう由来なのでしょうか?

「樋廻」は「ひばさみ」と読むことが多いようです。
「樋廻」には「ひまわり」という読みもありますが、「ひばさみ」の方が多いです。
すごい稀少な苗字ではないようですが、「廻」と書いて「ばさみ」と読むのは難しいです。

いったい何種類あったのでしょうか?
「廻」という漢字の読みは難しいです!


「廼」は、ずっと簡単です。
異体字が「迺」になります。
苗字としては20種類もありません。
あまり用いられない漢字なので読みにくいかもしれませんが、読み方は「の」しかありませんでした。
知っていれば読めるのでしょう。

2013年9月4日水曜日

遥と瑶と達に関して

できるだけ似たような形の漢字をまとめておこうと思っています。

本日は「遥」から。
旧字体は「遙」です。
苗字としては「遥山」と「遥地」のふたつしかありませんでした。
「遥山」は「はるやま」と読みます。
「遥山」も「遙山」もウェブの「写録宝夢巣」で見ると佐賀県でしか認められないかなりの稀少苗字です。
この珍しい苗字を新字体か旧字体かの違いだけで別の苗字として集計するのは、気が引けます。
おそらく戸籍上は「遙山」となっていて、戸籍上の漢字のまま使っているひともいれば、面倒なので「遥山」と置き換えて使っているひともいるという解釈で良いのではないでしょうか。

「遥地」は「ようち」と読みます。
こちらもかなりの稀少苗字です。


次は「瑶」。
旧字体は「瑤」です。
こちらは4種類。
読みは「たま(だま)」だけのようです。


次は「達」。
こちらは旧字体ではなく俗字という扱いですが、「逹」があります。
「達」の入った苗字は120種類くらいあります。
読みは「たつ(だつ)」や「たち(だち)」が多いですが、「たて(だて)」という読みも意外とありました。
「達」の音読みは「たつ」と「たち」だけなので、「たて」というのは誤植かなとも思いましたが、相当な数があるので、やはり正しいようです。

「伊達」というメジャーな苗字があり、これは誰でも「だて」と読めますよね。
なぜこれを「だて」と読むのか?
どうも「伊」を発音していないらしいです。つまり「伊」を発音せず、「達」だけで「だて」と読んでいるようなのです。それならば他にも「達」と書いて「たて(だて)」と読む苗字が多いことも納得できる気がします。

「達谷窟」という稀少苗字があり、これは「たがや」と読みます。
かなり難しいですね。
「達」と書いて「た」とだけ読むものもいくつかはありました。


2013年9月3日火曜日

渋と摂と轟に関して

本日は「渋」から。
旧字体は「澁」です。

先に他の漢字も紹介してしまうと、「摂」の旧字体は「攝」です。

「轟」に関しては、旧字体ではなく異体字(俗字)という扱いですが、「軣」という漢字があります。

「渋」と「摂」の場合は似ていますね。
同じ漢字(この場合、「止」や「耳」)を3つ並べる部分を略している形になっています。

「轟」は逆で、略している形の、「軣」が俗字という扱いになっています。
「轟」はJIS第1水準の知られている漢字ですし、「軣」は第2水準なので、問題ないと思います。


では「渋」から。
苗字としては50種類ほどありました。
意外に少ないなと思いました。
10000人以上いるようなメジャーなものも「渋谷(しぶやor しぶたに)」しかありませんでした。
「渋」の読み方は「しぶ」しかありませんでした。

「渋谷」は山形県などの東北地方ではベスト100に入るほどのメジャーな苗字です。
神奈川県を中心とした関東地方にも集積があります。

大阪府に「渋谷(しぶたに)」という地名があり、「しぶたに」という読みはそちらを中心として見られるようです。
青森県周辺でも「しぶたに」が多いようです。


「摂」は6種類ほど。
どれもそれほど多い苗字ではありませんでした。
読み方は「せつ」か「せっ」でした。


「轟」は5種類ほど。
「轟」一字で「とどろき」と読む苗字が最も多かったです。
「轟之上」という苗字が「とどろきのうえ」と読みます。
「轟」と書いて「とどろき」と読むのは、実はその2つだけでした。

後の3種類(「轟井」、「轟木」、「轟原」)はいずれも「轟」で「とどろ」と読んでいます。
「轟く(とどろく)」という単語を考えれば当然の読みですが、「轟原」で「とどろはら」というのは意外に難読ではないでしょうか?

ちなみに「とどろき」というと、「等々力」という地名が有名ですね。
「等々力」という苗字もあります。
「とどろき」と読むこともありますが、「とどりき」という読みもあり、比率も半々くらいなようです。
普通に読めば「とどりき」の方が自然ですが、つい「とどろき」と読んでしまいそうです。


「舎利弗」という苗字があります。
これでも「とどろき」と読みます。
実在も確かめられました。
これは読めません!
仏教用語なのでしょうが、どうしてこのような読み方になったのか知りたいところです。

2013年9月2日月曜日

仮と恋と酔と属に関して

「仮」の旧字体は「假」です。
40種類以上ありました。

「假屋崎」という苗字の有名人がいますが、「假」が「仮」の旧字体であることを知っていれば読みやすいですね。
「仮」はほとんどが「かり」と読みますが、「か」と読むものもありました。

「仮坂」という稀少苗字がありますが、これだけは「いいさか」と読みます。
実在も確かめられました。
難読です。


「恋」。
旧字体は「戀」です。
こちらは10種類くらいですが、全て読みは「こい」でした。
これは簡単ですね。


次は「酔」。
旧字体は「醉」です。
これは6種類ありました。
苗字に用いられそうもない漢字ですが、やはり少ないですね。
読みは難しいです。
「朝酔」は「あさよい」だそうです。
「五酔」と「馬酔」は「ごすい」と「ますい」です。
「馬酔」は実在を確認できましたが、他のふたつはできていません。

「上酔尾」と「下酔尾」という苗字があり、どちらの実在も確認できました。
「かみえのお」と「しもえのお」と読みます。
鹿児島県に「酔ノ尾(酔之尾)」という地名がありました。

「馬酔木」という苗字があります。
「あせび」と読みます。
ツツジ科の低木のことだそうです。
かなりの稀少苗字ですが、他に「ますき」や「ませき」といった読みもあるそうです。
その実在は確認できませんでした。


次は「属」。
旧字体は「屬」です。
4種類しかありませんでしたが、どれも難読です。
「属」一字では「さっか」と読みます。
けっして少ない苗字ではありません。
7-8世紀頃の四等官制が由来のようで、「さかん」という読みもあるようです。
(「さっか」は確認できましたが、「さかん」はできませんでした)

「属増」で「さかんぞう」と読む苗字もありました。
難読ですが、実在は確認できました。

後は「生属」と「肝属」という苗字があります。
「いきつき」と「きもつき」と読みます。

2013年9月1日日曜日

巳と己と已に関して

本日は「巳」と「己」と「已」の違いに関してです。
これも見た目が同じようです。

「巳」は「巳年(みどし)」の「み」です。
つまり「ヘビ」のことです。
他の用法ではほとんど使われないようです。

苗字としては40種類くらい使われています。
読みとしては全て「み」です。
特に「辰巳(たつみ)」という苗字は10000人以上もいるメジャーなものです。

この「辰巳」と実によく似た苗字で「辰己」と「辰已」があるのです。
実在しているのです。

よくある「角」という字の真ん中が下に出ているとかいう話ではないのです。

「巳」も「己」もJIS第1水準です。
「己」は「おのれ」と読みますから、当然です。
「已」もJIS第2水準なのです。音読みでは「い」と読みます。

ですから、いずれも普通に表記できますし、全て別の漢字なのです。
ややこしいですね。


「己」の方が一般的にはよく用いられていそうな印象ですが、苗字としては30種類くらいで、「巳」よりも少ないのです。
そして大半が「み」と読むのです。
誤記定着系の苗字と考えて間違いないと思います。

違うのは「和己(かずき)」と「己斐(こい)」、「己斐田(こいだ)」くらいでした。
「己」は音読みで「き」や「こ」と読むのです。

「己斐」というのは広島県にあった地名だそうです。


「已」は更に少なく5種類ほど。
全て「巳」に置き換えられそうでした。

別の漢字ですし、JIS第2水準までに入っている漢字なので、これらの苗字は全て別々に集計する必要があります。