「宍戸」は「ししど」と読みます。
福島県や宮城県に多い苗字です。
これに似た苗字として「完戸」というものがあります。
「かんと」という読みもありますが、多いのは「ししど」です。
「完」には「しし」という読みがなく、誤記の定着だと思います。
これと同様に前回の「完倉」も「かんくら」と「ししくら」のふたつの読みがあります。
「宍倉」も「完倉」も千葉県に多い苗字です。
それなので、こちらも誤記の定着だと思います。
「完田」も「かんだ」と「ししだ」のふたつの読みがありました。
「宍田」は「ししだ」と読み、兵庫県や広島県に多いです。
「完田」は鳥取県に多いのですが、まあ広島県と鳥取県なら隣接してますし、これも誤記の定着なんでしょうね。
そして「完土」なのですが、ウェブの「写録宝夢巣」では全国に11件。
うち7件が北海道でした。
そして「宍土」は全国で2件のみ。
千葉県と香川県でした。
こちらの方でしょうね。
面白いことに「完土」は「ししど」としか読まないようなんですよ。
「かんど」とか「かんと」ではないんですね。
不思議ですね。
「宍戸」は全国で29,000人ほどもいる苗字で北海道にもそれなりにあります。
「宍戸(ししど)」という苗字が「完戸」ではなく「完土」と誤って記載され、そのまま定着してしまったのでしょうか?
そして更にそれでは難読だということで「宍土」に変更した家系もあるということでしょうか?
最後に「完塚」ですが、これは「かんづか」としか読まないようです。
「宍塚」はもちろん「ししつか」です。
どちらも茨城県に多い苗字です。
茨城県の中でも牛久市に多いところも共通しています。
つまり、これも「宍塚」が元なんでしょうね。
誤記の定着で「完塚」ができ、「ししつか」とは読めないため「かんづか」と読みかえたということでしょう。
全国で1-2件しかないものを除くと「完」を用いた苗字は計6種類。
その中で「完山」は「かんやま」か「もとやま」と読むことが多い上、「宍山」という苗字はないので、これだけは例外。
それ以外の5種は全て「宍」からの誤記定着だと判断します。
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