2019年5月31日金曜日

泻に関して

「泻」はJIS第3水準の漢字です。

昔は「新潟」を「新泻」と簡略化して書いているひともいたとのことです。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1435002754

意味は少し違うようですが…

この漢字を用いた苗字がいくつか「実在苗字(名字)辞典」に載っていました。
いずれも「がた」と読み、「潟」に置きかえた苗字もありました。

最も多いのが「佐泻」で、鹿児島県を中心とし120人ほど。
(JIS第3水準の漢字なので「写録宝夢巣」では確認できません)
http://kagoshimajusei.com/search/2013/10/post-154.html
https://www.pictame.com/user/meg.sagata/2024277879

上記のように「佐泻」は間違いなくあります。
「佐潟」とは異なります。

他は「泻村」、「應泻」、「山泻」でした。
「應泻」は下記にありました。
ただ、読み方が不明です。「おうがた」しかないとは思いますが…
http://shunan-chiikijoho.jp/wp-content/uploads/2018/11/kisan_dayori051_201812.pdf

「泻村」と「山泻」は確認できませんでした。

「泻」の入った苗字は「佐泻」のみとしておきます。


【JIS第3水準】
草彅(くさなぎ)…秋田県 3,000人
棈松(あべまつ)…鹿児島県 1,500人
鮏川(すけがわ)…茨城県 600人
橳島(ぬでじま)…群馬県 510人
罇(もたい)…新潟県 420人
棈木(あべき)…鹿児島県 380人
晴柀(はれまき)…富山県 330人
﨤町(そりまち)…長野県 310人
魵沢(えびさわ)…福島県 300人
粠田(すくもた)…福島県 220人
鰀目(えのめ等)…石川県 190人
乙咩(おとめ)…大分県 180人
枻川(かじかわ)…埼玉県 160人
嶧田(えきだ)…島根県 140人
桵沢(たらさわ)…福島県 120人
佐泻(さがた)…鹿児島県 120人
嵓(いわお)…京都府 90人
莿木(いばらき)…和歌山県 90人
羽刕(うしゅう)…北海道 80人
凢内(おおち)…高知県 80人
棈野(あべの)…鹿児島県 50人
長嶧(ながえき)…島根県 50人
遠刕(えんしゅう)……? 40人
大嶧(おおえき)……? 40人
明刕(めいしゅう)……? 40人
奥刕屋(おうしゅうや)……? 10人
木刕(きしゅう)……? 10人
大刕(たいしゅう)……? 10人
嵓田(いわた)……? 10人

【JIS第4水準】
蓜島(はいしま)…埼玉県 2,200人
鸙野(ひばりの)…宮崎県 520人
䋆谷(かせや)…福井県 130人
川溿(かわばた)…兵庫県 110人
𨦺口(かなぐち)…広島県 60人
䋆井(かせい)…福井県 50人
䋆沢(䋆澤)(かせざわ)…? 50人
上㹦(かみはざ)…富山県 40人
樰沢(樰澤)(たらさわ)…? 30人
蜅沢(蜅澤)(かにさわ)…? 20人
悦覟(えつみ)…? 20人
芲田(はなだ)…? 20人
秂(いなづか)…? 10人
䋆村(かせむら)…? 10人
䋆本(かせもと)…? 10人
䋆屋(かせや)…? 10人

2019年5月30日木曜日

七理に関して

「七」で始まる苗字はいくつもあります。
だいたいは「しち」と読みますが、ときに「ひち」と読むことがあります。

「ひち」と読むものとして「実在苗字(名字)辞典」に載っていたものとしては「七川」、「七河」、「七条」、「七條」、「七田」、「七高」、「七堂」、「七野」、「七辺」、「七里」があります。

ただ、「七」を「しち」と読まず「ひち」と読む方は、常に「ひち」なのか疑問があります。
併記として追加するのなら問題ないのですが、わざわざ「しち」と「ひち」を分けるべきかは悩むところです。
現在まで、「七海」で「ひつうみ」という読みだけを載せています。
「七海」は「ななうみ」と読むことが多く、稀少な読みとして「しちうみ」と「しつみ」があるのですが、「ひつうみ」はそのどれとも異なる読みだからです。

といったわけで「七理」はどうなのか?
通常は「しちり」と読みます。
これに「ひちり」という読みがあるのかという疑問です。

大阪府の方です。
結婚して苗字が「七里」になったようです。
https://www.facebook.com/taiyaki.yukari

鳥取県の方です。
https://www.facebook.com/yoichihichiri

wikipediaには「七」を「しち」ではなく「ひち」と読む方言があると記載されていました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/7

確かに「七」を「ひち」と読んでいそうなんですよね。
五十音順ではかなり異なるし悩みどころです。

「ひち」を全て認めてしまうと、大幅な変更になってしまうので慎重に対応したいと思います。
さしあたっては保留します。

2019年5月29日水曜日

皀に関して

「皀」はJIS第2水準の漢字です。
この漢字を用いた苗字は、「皀」という一字姓しかありません。

ウェブの「写録宝夢巣」では全国で25件。
うち岩手県で15件でした。
北海道は4件でした。

「実在苗字(名字)辞典」では「さいかち★(くろごめ★)」となっていました。
確かに、どちらも読めません。

珍しい漢字なので、そのままfacebookで調べてみました。

「くろこめ」(濁点なし)、北海道出身…
https://www.facebook.com/raiku.kurokome

読み方不詳のようだが、友達欄に「くろこめ」がいる、北海道出身…
https://www.facebook.com/profile.php?id=100008884417070

「さいかち」、岩手県出身…
https://www.facebook.com/saikachi.mio
https://www.facebook.com/riku.saikachi
https://www.facebook.com/rumi.saikachi

漢字不詳だが「さいかち」、友達欄に読み方不詳の「皀」がいる、長野県出身…
https://www.facebook.com/profile.php?id=100008414408986

読み方不詳…
https://www.facebook.com/mrk.roni
https://www.facebook.com/daichan.sai
https://www.facebook.com/yumewokanaeyo
https://www.facebook.com/profile.php?id=100004279380371

「くろごめ」は見つからず、「くろこめ」だけでした。
「くろこめ」は北海道でのみ確認できました。

「さいかち」が多く、「くろこめ」が少ないというのは確かだと思います。

2019年5月28日火曜日

池野辺に関して

前回、「高野辺」に関して、「邊」と「邉」の異体字が見つからない初めてのケースだと書きました。
似たようなものとして「池野辺」がありました。
「高野辺」が、ウェブの「写録宝夢巣」では全国で24件で、うち群馬県に21件だったのに対し、「池野辺」は全国に21件で、うち茨城県に16件でした。
更に「池野辺」もこれまで「邊」と「邉」の異体字が見つかっていないのです。
ふたつめのケースかと驚いたのですが、どちらも見つかりました。
https://www.integral.co.jp/blog/other/2008/10/10-5
https://www.facebook.com/people/%E6%B1%A0%E9%87%8E%E9%82%89-%E6%8B%93%E5%AE%9F/100018231819991

「池野邊」と「池野邉」のいずれも新規の姓ということになります。

2019年5月27日月曜日

高野辺に関して

「高野辺」は「こうのべ」と読みます。
ウェブの「写録宝夢巣」では全国で24件。
うち群馬県で21件でした。
更にそのうち北群馬郡榛東村で16件でした。

群馬県以外で出会うことはまずなさそうですね。

なにが珍しいかというと、「辺」を用いた姓なのに「邊」や「邉」という異体字が全く見つからなかった点です。
これはここまでで全く初めてです。
「邊」か「邉」か、どちらかしか確認できないというのは、これまでもあったのですが、どちらもないというのは本当に初めてです。

そういう意味で稀少です。

2019年5月26日日曜日

米多比に関して

「米多比」は、ウェブの「写録宝夢巣」で全国に5件のみしかない姓です。
そのうち4件は福岡県でした。

「実在苗字(名字)辞典」では「ねたみ★>めたび★・めたひ」となっていました。
難読です。
「ねたみ」という読みは下記の方。
https://www.facebook.com/hiroaki.netami

友達欄に「ねたび」と読んでいる方がいました。
https://www.facebook.com/profile.php?id=100008403516067

福岡県古賀市に「米多比」で「ねたび」と読む地名があります。
「ねたみ」ではないですが…
https://www.navitime.co.jp/postcode/result?address=40223016000

下記の方も「米多比」で「ねたび」のようです。
https://www.facebook.com/profile.php?id=100021785772762
https://www.facebook.com/mizuki.netabi.731

「めたび」という読みも何人か見つかります。
むしろこちらが多いです。
https://www.facebook.com/mina.metabi
https://www.facebook.com/anna.metabi

まとめると、「米多比」はそもそも全国で5件しかないような稀少姓であり、それほど読みが分かれることはないと思います。
「めたび」と「ねたび」は確認できます。
「ねたび」は難読ですが、地名でもあります。

「ねたみ」という読みもあると思いますが、見つけられたのは上記の1名だけであり、その方の友達欄に「ねたび」さんがいるということは、そのふたりが親族である可能性が高いのではないかと考えます。
それであれば「ねたび」で統一して良いかなと思います。
はっきりと数があれば「ねたみ」を分けますが、そこまでしなくて良いかなと思います。

2019年5月25日土曜日

妹尾に関して

「妹尾」は「せのお」もしくは「せお」で載せていました。
24,000人ほどもいる苗字であり、最多の岡山県では県別で30位内に入るほど多く見られます。
そのため、一見すると難読ですが、読めるのではないかと思います。

「実在苗字(名字)辞典」の更新情報によると、これ以外の稀少な読みとして「いもお」があるそうです。
http://ocu-meets-ca.yamadalabo.com/members

大阪市立大学の学生となっています。

自分でも探してみました。
http://www.team-web.jp/oupssoccer/member.php?category_id=4

こちらは大阪薬科大学のサッカー部のマネージャーとなっています。

岡山県から大阪府に移り、難読なので読みかえをしたところ、かえって稀少な読みになってしまったということなのでしょうか?

「公文式」で有名になった「公文(くもん)」という姓で「こうぶん」と読みかえて、かえって難読になってしまった例もありました。

「妹尾」で「いもお」という読みも追加します。